宮本常一の発行していた雑誌『口承文学』最終号の目次
先日、別の資料を調査するついでに以前から気になっていた宮本常一の発行していた雑誌『口承文学』第12号(最終号)を確認してきたので目次を紹介したい。この雑誌は復刻されておらず、発行していた部数(100部程度か?)も少なかったため、所蔵している研究機関もほとんどなく稀覯本になっているが、以下の記事で紹介したように宮本常一『口承文学論集』(田村善次郎編、八坂書房、2014年)に部分的に目次や宮本の文章を収録しているので、どのような雑誌であったのかのアウトラインを知ることができる。以下の記事でも第12号以外の目次を簡単に紹介しておいた。
『口承文学』第12号の書誌情報、目次は以下のようになっている。
柳田国男が「酒もり塩もり」を投稿しているが、この文章は柳田国男『食物と心臓』(創元社、1940年)に収録されているので読んだことのある方もいらっしゃると思われる。
『口承文学』で興味深いのは、発行されていた大阪の報告だけでなく全国各地からの事例が紹介、報告されている点である。最終号にも藤原貞次郎が岩手県花巻の事例を報告している。同じ地域で発行されていた横井照秀の雑誌『田舎』も東北地方の投稿者、読者がいたことを以下の記事で紹介したが、関西で発行されていた小さな雑誌が東北地方の研究者、同好者の関心を集めていたのは興味深い。
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