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待望(?)の日本語訳―中世ヨーロッパの商人ブルカルト・チンクの自伝
先日投稿した記事に関する調べ物をしていきたとき、見つけた副産物に関して資料紹介という形で記事にしていきたい。すでに知られたことかもしれないが、私にとっては意外な発見だったので記事にしておく意味は少しはあるだろう。
中世のヨーロッパでは、文字を扱える人々が多くなり、自分たちの人生を振り返って自伝という形で残す人々がいた。日本の中世ヨーロッパの社会史研究を切り開いた阿部謹也の「中世後期の自伝二著―トマス・プラッターとブルカルト・チンク」という論文によると、これらの自伝は中世ヨーロッパの社会史を研究するにあたって重要な資料となっているようだ。
この論文の中には、資料となる自伝の例としてトマス・プラッターとブルカント・チンクの自伝が紹介されている。前者は阿部謹也による日本語訳が出版されているが、後者は日本語訳がなかった。しかしながら、先日CiNii上で調べていた際に、ブルカント・チンクの自伝が日本語訳され、しかもウェブ上で読めることが分かった。下記がリンクになる。
商人ブルッカルト・チンクの自伝の邦訳(1)ブルッカルト・チンクの年代記(1368-1468年)
商人ブルッカルト・チンクの自伝の邦訳(2)ブルッカルト・チンクの年代記(1368-1468年)
商人ブルッカルト・チンクの自伝の邦訳(3・完)「ブルッカルト・チンクの年代記」(1368-1468年)
中世ヨーロッパの社会史を研究されている方々にとっては原文で読んでいるものかもしれないが、私のような原文を読めないような方々にとっては朗報であると思う。トマス・プラッターの阿部謹也訳の自伝は社会史の資料としてだけでなく、読み物としても非常におもしろかったので、上記の自伝も読んでみたいと思う。
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