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南方熊楠『十二支考』についてのメモ②ー最恐の魚

 南方熊楠『十二支考』には、十二支の動物以外も様々な生物が登場する。「蛇に関する民俗と伝説」を読み進めていく中で興味深い生物が登場したので以下に引用してみたい。

(前略)土人いわく、この蛇(Kamikawa注:蛇の一種のコンモード)自分より大きな動物に会えば、その尖った尾を敵手の肛門に挿し入れてこれを殺す、故にその地の白人これを男色蛇ソドマイト・スネークと称うと。どうも虚譚うそらしいが、これにやや似て実際今もあるはブラジルのカンジル魚だ。長わずか三里三毛ほどでいと小便のにおいを好み、川に浴する人の尿道に登り入りて後、頬のを起すから引き出し得ず。これを以てアマゾン河辺のある土人は、水に入る時椰子殻やしがらに細孔を開けて男根にかぶせる。(後略)

「ブラジルのカンジル魚」という魚が引用されているが、これはカンディルである。YouTubeには、テレビでかつて放送されていた「どうぶつ奇想天外」という番組のチャンネルがあるが、このチャンネルの動画を閲覧していたため、その危険性を知っていた。以下に私が閲覧した動画を引用したい。南方は書物でカンディルのことを読んだが、このように世界中の生物が登場するのも『十二支考』のおもしろいところである。

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