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雑誌『旅と伝説』を発行していた三元社の編集者・萩原正徳の経歴

 先日更新した以下の記事で雑誌『民俗藝術』の発行所が途中から雑誌『旅と伝説』を発行してた三元社という出版社に移り、萩原正徳という人物が発行者となったことを紹介した。萩原の経歴をウェブで調べてみても出てこなかったので、よく分からない人物なのかと思っていたが、『日本民俗学大系  第8巻 (信仰と民俗)』(平凡社, 1959年)に萩原のことを紹介している「萩原正徳さん」という文章が民俗学研究者・関敬吾によって書かれている。

 関の文章によると、萩原は1895年12月28日に奄美大島名瀬村に誕生して1950年12月4日に亡くなったようである。本業は写真製版であったが、その傍らで『旅と伝説』、『昔話研究』、『木思石語』(柳田国男)、『聴耳草子』(佐々木喜善)などを発行する、柳田国男の解説を付けて『真澄遊覧記』(江戸時代の旅行家・菅江真澄の旅行記)を覆刻ふっこくをするなど民俗学関連書籍や雑誌を出版していた。関の文章では、萩原の経歴がこのように簡単に紹介されているが、よく分からない部分が多い。以下の記事によると、萩原は柳田が主宰していた民俗学の勉強会である木曜会にも出席していたようである。萩原は、出版面で初期の民俗学の発展に大きく貢献した人物であるということはたしかであろう。


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