雑誌『郷土芸術』廃刊後の久米龍川の行方―伊藤喜久男作成の「東京蒐集家番附」より
結構前に以下の記事で紹介した雑誌『郷土芸術』(前『郷土風景』)を編集していた久米龍川(谷川要史)だが、この雑誌の廃刊後の行方はよく分かっていなかった。
久米は岡山県の出身なので帰郷したとも考えていたが、『郷土芸術』廃刊後も引き続き東京で活動していたようだ。旅の趣味会を主宰していた伊藤喜久男が作成した「東京蒐集家番附」に久米が載っているので、この番附が発行された1940年までは少なくとも久米は東京に在住していたようである。以下にこの番附の写真を掲載しておきたい。
この番附によると、久米は玩具、陶器、油絵を蒐集していたようである。この番附は蒐集趣味人として知られている人物以外も記載されているのが興味深い。森潤三郎は書誌学、近世学芸史の研究者として知られているが、この番附では古書、諸侯旗本の書簡、短冊、墓碑拓本の蒐集家として紹介されている。森も伊藤の主催していた旅の趣味会の会員であったのだろうか。
よろしければサポートをよろしくお願いいたします。サポートは、研究や調査を進める際に必要な資料、書籍、論文の購入費用にさせていただきます。