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木村哲也さん編『内にある声と遠い声—鶴見俊輔ハンセン病論集』についてのメモ⑤—記憶を保つ人びと
以下の記事で鶴見俊輔の思想のキーワードとして「記憶を保つこと」があることを紹介したが、木村哲也さん編『内にある声と遠い声—鶴見俊輔ハンセン病論集』(青土社、2024年)にもこの「記憶を保つこと」が登場したので引用してみたい。
日本人は忘れやすい。これは、明治以後の国家本位の学校制度に根がある。小学校から大学までの試験本位の昇進で、その時の試験を終えると忘れる。(中略)しかし、忘れないことを保つ人はいる。一九〇七年から九六年まで、九十年にわたる隔離の中に生きた人たちは、自分たちが閉ざされていることを忘れない。(後略)(初出は「朝日新聞」二〇〇六年三月十九日朝刊)
ここではハンセン病の隔離政策に対して反対した人びとのことを「記憶を保つ」人びととしている。ハンセン病との関りは「記憶を保つ」という思想の重要性に鶴見が気が付いた要因のひとつになったのだろうか。
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