三羽の推しウサギ
2023年は兎年!という事で推しのウサギをご紹介します!
まずは『不思議の国のアリス』から。
テニエルの挿絵でお馴染み、チェック柄のジャケットを着た白ウサギ。懐中時計にベストにステッキ、いかにも英国紳士な雰囲気だ。
実はこのウサギ、物語の最後にも違う衣装で登場している。裁判の伝令官として特徴的な襞襟を付け、ハート柄の衣装を着て、ラッパと羊皮紙を持っている。(羊皮紙、という言葉をこの場面で初めて知った。響きが素敵。)
こちらの方が身長が小さく見える(のは筆者だけ?)が、同一人?物なのだ。
手だけは人間で、他はウサギらしい脚や耳、毛並みだが、違和感なく見ていられる。手だけ人間、は註釈で読んでやっと気付いた程だ。テニエルの擬人化と写実を絶妙に融合させた上手さだと思う。もしかして、この絶妙な擬人化がテニエルの絵はコワイと言われる理由かも知れない。
どちらの白ウサギも、シルエットだけでアリスのウサギだ!と分かる位に馴染みがある。耳やステッキ、ラッパなど、シルエットだけでも特徴的な姿をしているので、アリスモチーフの雑貨などでもよく目にする。
この白ウサギ、手袋と扇をアリスに持って来させようと威張ったり、キュウリの温室に落ちたり、公爵夫人やハートの女王にはへこへこしたり(どっちもおっかないからね!)何だか大変。
もう一羽のウサギはこちら。
帽子屋のお茶会に出席している三月ウサギだ。アリスの右隣に座っている。
ストライプのズボンにジャケット、タイを結んだ姿で、少しヨレヨレな感じがする。頭には藁の帽子を被ってるのか、藁を帽子ぽく載せているのか?
耳の先が黒っぽく見えて顔の毛並みも詰まっているので、白ウサギではなく茶色いウサギと思われる。
お次は『鏡の国のアリス』から。
『不思議の国のアリス』だけじゃないの?と思われた方、両方ウサギが出てくるんです。
それが、白の王の使者として出てくるウサギだ。
白の王にサンドイッチを渡している姿。手は人間で靴下、靴を履いているが、足の曲げ具合にウサギの名残が見える。耳の形に合ったフード(縫うのが大変そう!)を被っているので、耳の先の色は分からない。
あれ?見た事ある帽子屋が。右手に紅茶、左手にパン、頭には値札付きシルクハット。着ている服と靴下と靴はウサギとお揃いで制服感がある。お茶会コンビの再登場?
アリスがコンビに気付いたか分からないけど、二つの国がパラレルワールドと思うと楽しい。