創造的にデザインして、論理的な秩序を与えるブランディングのあり方
芸術はロジカル。
極めて数学的に対象物を正確に描写して
秩序と調和という概念がもたらされます。
全体を直感的にとらえる感性で
創造的にデザインしながらも常に、
論理的で左脳的な処理
がほどこされているそうです。
意外すぎて混乱しました。
「芸術は爆発だ!」
という言葉に象徴されるように、
天才肌の芸術家が、その感覚によって描かれるもの
という思い込みがありましたが、
物事をじっくり観察する
サイエンスとのバランスが不可欠。
直観で全体をとらえ、
ロジカルに細部を詰めていくことを
交互に繰り返しているんですね。
ビジネスに秀でた方が頻繁に
美術鑑賞をしていると聞いて、
いろんな本を読んでいると、
芸術の二面性に気づかされます。
感性で問題提起、
価値の創造やビジョンを見通しつつ、
データ解析、仮説を立証するためのサイエンスを駆使。
ビジネスと芸術に相通づるところがあるのは、
そんな理由からだそうです。
■アップルは、
一貫性のある世界観で
その存在感を唯一無二のものにしています。
スマホなどのメインコンテンツだけではなく、
店舗の外観、エントランスの雰囲気、
インテリア、ウェブサイト、商品パッケージ、SNSの写真など、
世に出るものすべてに
アイデンティティが表現されています。
アップルがこの世に存在する価値を
総合的に、統一感、一貫性をもって表現しているところに、
強さを感じます。
■サッカークラブはどうでしょうか?
世界に目を向けると、
オリジナリティあふれる世界観を確立し、
ブランディングに成功している事例はたくさん。
ユヴェントスのリブランディングは
個人的に大好きなのですが、
エンブレムのデザインに
クラブの哲学をにじませるセンス、
サッカーファン以外の層を意識した
洗練されたクリエイティブ、
顧客と売上の拡大を見据えた
大胆な意思決定にはとても驚かされました。
あれほどの歴史と伝統を誇る組織に
改革を起こそうと思えば、
その困難さは容易に想像がつきます。
トップの理解、創業者の志、
過去の栄光だけではなく失敗も受け止めて、
クラブの価値観をブラッシュアップさせる覚悟
を感じてしまいます。
アイデンティティコントロールも
見事としか言いようがありません。
■今、私がかかわっているプロジェクトでは、
デザインの議論で盛り上がっています。
ユニフォームやエンブレムといった
クラブの根幹をなす重要なアウトプット。
いろんな人やデザイナーの感性による
創造的なデザインは大切ですが、
論理的な処理
をおろそかにするわけにはいきません。
ブランドが拡張性と発展性をもって
人々に伝播するかどうかの議論で、
アップルやユヴェントスの事例
を参考にしない理由はどこにもなく、
ポイントはいかに一貫性を確保できるか
につきます。
一貫性の軸、
根拠となるのはクラブのミッション。
クラブは何のために存在し、
誰に対してどんな価値を提供しようとしているのか?
言語化された世界観が
デザインをディレクションします。
一貫性はミッションによってもたらされるのです。
■デザインもそうですし、
マーケティング戦略を立案して
アクションプランを考えるのも
すべてサロンメンバー。
経営者はちゃんといますし
私も一応、共同経営者という立場。
ですがクラブにまつわるあらゆる仕事に
形式的にはクラブ関係者以外の方が参加しています。
一般的にはファン、サポーターと呼ばれる方々も
オンラインサロンに入って、意見したりアイデア出したり。
会社と顧客の間にある常識的な垣根が
かなりあいまいになっていて
重要なコミュニケーションも極めてオープンに
展開されています。
一から何かをはじめるには最適な場所。
大学生が少しずつ興味を持ってくれてうれしい。
興味ある方は少しだけのぞいてみてください。
もしくはメールください。いろいろ話しましょう!
今日も最後まで読んでくれて
ありがとうございました。
それではまた明日。
おつかれっした!