紹介元に嫌な思いをさせていないか?
FROM 安永周平
うちのサービスを使ってくれてる方の中には、保険の営業をされている方も多くいらっしゃいます。それもそのはず、保険という商品(特に生命保険)は、人によってタイミングは違えど「誰もが必要とするサービス」です。ですから、既契約者の方が知り合いを紹介してくれること、その紹介が連鎖的に続いていくことは、営業成績を大きく左右します。
そのため、たとえば契約後、お客様がとても満足してくれたタイミングで紹介をお願いすれば、実際に保険に興味を持ちそうな知り合いを紹介してくれるかもしれません。お客様も「では、田中さん、鈴木さん、佐藤さんの3人を紹介しますよ。」と言って、1週間後に保険の審査の結果が出るまでの間に、その人たちに連絡をしてくれる…という話になるかもしれません。ところが、いざその「紹介元」となってくれるお客さんが、知り合いに紹介の話を切り出すと…
どうやって紹介してもらうか?
お客さん「田中さんって、何か保険に入っていたっけ?」
田中さん「入ってるよ。それがどうかしたの?」
お客さん「この前、◯◯生命の人の話を聞いたんだけど、とてもわかりやすくてためになったから、田中さんも1度話を聞いてみたらいいんじゃないかと思って。」
田中さん「ふーん。でも、今すぐにはいいかなぁ…」
お客さん「あ、そう。わかったわかった。突然ごめんね。」
このように、田中さんがやんわりと断ったとしても、紹介元であるお客さんは少し嫌な思いをする可能性があります。すると、残りの鈴木さんや佐藤さんに連絡を入れようとは思わなくなってしまいます。そして1週間後、鈴木さんや佐藤さんには連絡を入れていないのに「みんなに『今はいい』って言われてしまいました…」と、あなたに伝えるわけです。こうなると、あなたも「そうですか…では、また何かありましたらいつでもご連絡くださいね。」としか言えないでしょう。
紹介元にイヤな思いをさせてはいけない
ソニー生命でトップクラスの成績を収め続け、10年以上にわたって顧客からの紹介が途切れない鎌田聖一郎さんは、「紹介元は営業マンにとっては非常に大切な協力者であり、彼らが知り合いを紹介することによって精神的な負担を感じたり、嫌な思いをすることがないように配慮することが大切だ」と言います。先のように、実際の紹介の場面で紹介元が嫌な思いをしたら、紹介をしなくなるからです。
しかも、本人にとっては仕事ではありませんから、紹介しようがしまいが困らないわけです。そこで、鎌田さんがどんな方法を採用しているのか、書籍の内容を少し引用させていただきます。具体的には、お客様に誰かを紹介したいと言われたら、「私はあなたが人を紹介するときに嫌な思いをさせてしまうのが1番辛いのです」と前置きした上で、紹介元をリードしてあげげるそうです。
お客様はどう紹介すればいいかわからない
まず初めに「私への紹介の話をいつされますか?」と聞きます。この場合の「いつ」とは、日時ではなくシチュエーション(場面)の話です。そして、たとえばお客様が「紹介したいのは職場の同僚です。来週にでもランチを食べている時に話を切り出してみようと思います。」と答えたとしましょう。
次に「なるほど、それではその会社の同僚の人に何と切り出しますか?」と聞きます。すると、保険の営業マンを普段からたくさん紹介している人はあまりいないので、「そうなんですよね。何て紹介すればいいんでしょう?」と、逆にお客様に尋ねられます。そう、お客様は「紹介する」とは言ったものの、具体的なハウツーは持っていないことがほとんどです。
「言ってはいけないこと」だけ伝える
ですから、この時、お客様に「こう言ってください」と話す内容をアドバイスするのではなく「言ってはいけないこと」だけを伝えるとのこと。話す内容をアドバイスするとお客様も紹介するのが面倒くさくなってしまいますので、「これ以外は言っていいんですよ」という簡単な内容にするわけです。
では、言ってはいけないことは何かというと「相手のご加入中の保険」についてです。知り合いが保険に加入している場合は「相手の保険のことには一切触れないでください」と言うのが効果的です。つまり、紹介元から「その保険よくないよ」という言葉を言わせるのは絶対にNGです。なぜなら、自分が入っている保険は、たとえどんな内容であっても、褒めてもらいたいのが人間だからです。
否定されるのが好きな人はいない
面白いもので、「保険見直したほうがいいよ」といきなり否定的に告げられると、親しければ親しい間柄の人ほど反論したくなります。ですから、相手の保険には一切触れず、自分がよかったと思う話だけを伝えてもらうのが賢明です。たとえば「担当者が自分の話をじっくり聞いてくれたので、出来上がった保険の内容にとても満足できた」とか「難しいと思っていた保険がすっかりわかるようになった」などなど。
「そう話して、会社の同僚が『それってどういうこと?』と興味を示したら、ご紹介ください」と伝えるのが効果的です。反対に「会社の同僚が明らかに聞こえているのに週刊誌を読み続けていたり、ケータイをいじったりしているときは、くれぐれも無理強いしないで下さい。その場合は速やかに引いて、半年後にまた機会があったらトライしてみてください」と念を押します。
紹介におけるキーパーソンは誰か?
紹介で何より注意しなければならないのは、まだ見ぬ紹介客ではありません。自分に協力しようとしてくている「紹介元」に嫌な思いをさせないことです。紹介で売れ続けるためには、紹介の連鎖を起こすためには、これがとても重要になりますので、ぜひ忘れないようにしておいてくださいね。
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