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年末年始「家族の時間」という重荷

年末年始というのは、機能不全家庭や虐待を経験した人間にとっては何とも気が重い季節だ。何しろ「家族と過ごす」ことが「当たり前」になっているこの時期。わたしもそうだが、帰る家がない・帰りたいと思える場所がない人にとっては、精神的に孤立しがちな時期なのではなかろうか。(少なくとも、わたしはそうです。)

「実家帰らないの?」
「顔見せないなんて親不孝だよ」
という、悪気のないコメントに、必死で笑顔を取り繕いながら、「そうですよねぇ」なんてヘラヘラしながら、早く別の話題になってほしいと話題をすり替える。
友人とのやり取りでさえ気が重い。

はぐらかすということは、聞かれたくない何かがあるということ。
ほっといてほしいと思うのはワガママなのだろうか・・・とまた気が重くなる。人には、色々事情がある。

わたしの両親は健在だ。
わたしに性虐待をしていたのは実兄。わたしも両親との仲が悪いわけではないし、彼らのことを憎んでいるわけではない。彼らだって、何もしなかったわけではない。ただ、そんな兄を「それでも息子」となおも庇い続ける両親に、どんな顔してあったら良いのかわからない。わたしだって、「娘」だし、被害者なのに。

これを読んでくださっている方に、もし同じような経験をされている方がいるとすれば、どうか自分を大事にしてほしいと思う。
この時期、親不孝と言われても、親に会うことで気が滅入るくらいなら、会わない・考えない方が精神衛生的にはいいはずで、わたし達は自分をもっと大事にしていいはずだ。わたしは、あなたの味方です。

また、今まさに虐待を受けている方、もしくは「あれは性暴力だったのかわからない」けれど、何か引っかかっていて誰かに話をしたい方は、どうか相談できる場所があることを知ってほしい。例えば、一般社団法人Springのブログには、相談先一覧が載っています。他にも、自助グループや、病院でのカウンセリングなど、ぜひ検討してみてください。

あなたは一人じゃないです。そして、あなたに起こったことはあなたのせいじゃない。加害した人が、圧倒的に悪いんだから。

とはいえ、わたし自身、相談先にあるような場所に相談したことはない。相談できる場所を知らなかったと言うのが一番の理由だ。正しい対処がわからなかった。わたしはまだ、16歳だった。家族に味方がいるかわからなかった。家族の外に、頼れる人もいなかった。打ち明けたら、生活の全てが壊れる、路頭に迷うと思って、結局外部の相談先に相談できず、正しい対処が出来なかったことは今でも悔やんでも悔やみきれない。ひょっとしたら、今からでも遅くないのかもしれないけれど。
昔、何箇所かカウンセリングを受けたことがあるのだが、「もういい加減忘れたら」と言われた経験から、カウンセリングや人に相談することに期待が持てなくなった苦い経験がある。

どうか、届くべき人に声が届いたら嬉しい。



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