あの女の子

家族から性虐待を受けて育った人間として、自分に起きたことを理解し、経験を共有させていた…

あの女の子

家族から性虐待を受けて育った人間として、自分に起きたことを理解し、経験を共有させていただくことで、当事者への偏見や理解を広められたら本望です。 生きるので精一杯です。 不定期更新

最近の記事

冬はきらい

「生きていてくれればいい」と言ってくれた人とお別れした。 私の過去も、今抱えている問題も理解して受け入れてくれた人だ。 こんな人いないと思った。奇跡だった。 でも終わってしまったんだ。 付き合いが長くなって、置かれている環境も変わった。 どちらが悪いわけではないけれど、「生きていてくれればいい」という人がいることは支えだった。 これから、何を支えに生きていったらいいんだろう。 生きる意味がなくなっちゃったなんて言ったら、大袈裟かな。 私は、何のためにここにいるんだろ

    • 生きづらいあなたへ:「今」を生きるために「いいこと」を数えてみませんか?

      昔、世界名作劇場というアニメで「愛少女ポリアンナ」というお話がありました。父を亡くした少女が叔母に預けられるのだが、ストーリーの中で鍵となるのが、「よかったさがし」というもの。遠い記憶なので、検索しながら今この記事を書いています。(ストーリーは全然覚えていませんでした。) さて、この「よかったさがし」ですが、子供の頃から割と心のどこかに置いている考え方で、どうしようもない状況でもとりあえず「よかった」と思えることを数えていました。機能不全家庭に育ったけれど、中年のこの歳まで

      • 女性が女性に相談できる場所:私が「女性による女性のための相談会」が必要だと思う理由

        noteを書くのは久しぶりです。 皆さまはいかがお過ごしだったでしょうか? 実兄から性虐待を受けていた当事者としてこのnoteをスタートさせて、マイペースに発信をする予定が、このコロナ禍で私自身もいろいろあり、全く更新できないまま今日に至りました。 私は、かろうじて生きてます。 さて、ふとしたきっかけで、Twitterを通じて「女性による女性のための相談会」という相談会を知ることになりました。 労働組合や市民団体が同公園で開催した「年越し支援・コロナ被害相談村」の実行委員

        • 今日の戯言|生きてるだけでいい

          「生きてるだけでいい」と言ってくれるひとがいる。 両親も多分そう思っているとは思うけれど、未だに加害者である兄を守っている状況の中では、それって私に「自殺されたら罪悪感に苛まれるから」なんじゃないかと疑ってしまう。 きっと、両親は両親なりに愛を注いでくれている。 知っている。 ただ、実感が伴わないだけだ。 話を戻す。 家族でもなんでもない人が「生きてるだけでいい」と言ってくれた。 その人は多分、本当にそう思っていると思う。 ほんの少しだけ、実感が湧いた。 別に肩書きとかなくて

          性暴力被害者は笑わない? 被害者は笑わないという説を唱える方に私の体験をお話します。

          「性暴力にあった経験があるけど、笑い話にしていた」 2020年10月1日20:00- からChoose Life Project内で放送された「「性的同意」とは何か? NO means NOが当たり前になる社会を目指して。」を視聴しました。 この回では、弁護士や臨床心理士等の専門家と共に性被害や性的合意に関するメディアmimosas(ミモザ)を立ち上げた疋田万理さん(メディアプロデューサー)とみたらし加奈さん(臨床心理士)のお二人が出演されていて、mimosasの立ち上げの経

          性暴力被害者は笑わない? 被害者は笑わないという説を唱える方に私の体験をお話します。

          性教育の重要性|緊急避妊アフターピルが必要なわけとセックスの意味について

          わたしの話個室で二人きりという状況で、自分が弱いせいなのか、嫌われたくないという気持ちがそうさせるのか、はたまた逆上して暴力振るわれたらどうしようなどグルグル考えを巡らせている間に、結果として、コンドームなどのプロテクションもないままにSEXしたことがある。そして、そんなことは、1度や2度ではない。不本意だった。 そんな女の子は結構多いんじゃなかろうか。 世の中には「中出し」とか、「生じゃないと感じられない」なんて言葉が無責任に踊り、さも「プロテクション(コンドームなど)な

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          番外編 | レビュー「はくだけの生理用品」 Nagiを使ってみた

          「はくだけの生理用品」という選択肢毎月、生理がやってくる。女性に生まれて、子宮がある限りは、閉経までは毎月やってくる生理。わたし達は、毎月これと付き合っていかなくてはいけない。 毎月かかる生理用品代もバカにならない。男性にはピンと来ないかもしれないけれど、ナプキンであれば1パック400円、タンポンであれば1パック800円程度。さらに、量によってナプキンやタンポンの使いわけもするので、毎月となるとこれがなかなかの出費。 環境に優しいわけでもないプロダクトを買い続け、消費し続け

          番外編 | レビュー「はくだけの生理用品」 Nagiを使ってみた

          私たちは怒っていい|性暴力被害者が、打ち明けられるようになるまでの道のり

          「なんで打ち明けられるようになったの?」 実兄からの性虐待を両親に打ち明け、家族と離れて暮らすようになってからすでに20年以上が経過した。 自分が受けた被害と向き合えるようになったのは、(というか向き合っても発狂したりしないようになったのは)本当にこの数年のこと。 口に出すと、自分が壊れてしまいそうで、とてもじゃないけど向き合えなかった。そのくらい、時間が必要だった。 今でもまだ、パブリックな場で、この事について話すのは無理なんじゃないかと思う。 付き合いが長い友人にも、ほ

          私たちは怒っていい|性暴力被害者が、打ち明けられるようになるまでの道のり

          メモ|生きてる意味とかわからないし・・・

          天気のせいだろうか? それとも、コロナで自粛していて、人と話したりしていないせいだろうか。 仕事が暇なせいなのか、ふとした時間に「なんのために生きてるんだろう」って思ってしまう。 自分という人間の小ささと無力さにしんどくなる。 生きてる意味とかわからないし・・・ そんな沼にハマりそうになった時には、とにかく小額づつでも募金や寄付をするようにしている。 被虐待児特有の自尊心の低さや、自己肯定感の低さのせいかもしれないが、周りと比べて、「わたしなんて」と思うことがよくある。

          メモ|生きてる意味とかわからないし・・・

          「嫌なら逃げたらいい」? 性暴力被害者の体験から考える、フリーズについて

          痴漢やレイプ、性暴力などがニュースになる度に、「なんで逃げなかったんだ?」「誘っていたんじゃないのか?」「本当はそうなることを期待してたんだろ?」などのコメントがあちらこちらから聞こえてくる。 こう言ったフレーズは、二次被害を引き起こし、被害者を追い詰めるとされています。 私自身、そんな心無い言葉を聞くたびに、またか・・・という気持ちになるが、「逃げたらいいのに」と思ってしまう人の気持ちも想像はできる。 でも、少なくともわたしにはそれが出来なかった。 実際にその状況で考えて

          「嫌なら逃げたらいい」? 性暴力被害者の体験から考える、フリーズについて

          母の日とか父の日とか誕生日とか

          被虐待児、それも家族からの虐待にあった私には、これが毎年それなりに「重荷」です。 コロナ禍の今年は、インターネットを開くと踊る、母の日のプレゼントの広告。鮮やかなカーネーションの写真に「日頃の感謝を伝えよう」というフレーズ。 私は、加虐者が実兄で、両親は何も知らなかったというケースなので、両親から直接的に何かされたわけではない。けれども、事実を知った後でも「何もしない」というこの状況は、私のことを蔑ろにしているのと同じだよな。と思ったりする。 父のことも、母のことも、憎

          母の日とか父の日とか誕生日とか

          今すぐ逃げたい少女たちへの手紙

          なるべく頻繁に更新しようと思いながら、前回の投稿から随分時間が経ってしまいました。 このnoteを見てくださっている方(ほとんどいないかもしれないけれど)は、皆さんいかがお過ごしでしょうか? ちゃんと、安全な場所にいるでしょうか? コロナが発生して緊急事態宣言が宣言されてから、「家に居場所がない人は、大丈夫かな?」と心配しています。 ステイ・ホームと声高に言われても、家にいることが、かえって危険な人たちが沢山いるんじゃないかと思うと、不安になります。 私が当事者だった時、こ

          今すぐ逃げたい少女たちへの手紙

          自己紹介|インビジブルな存在としての被害者

          法務総合研究所の「第4回犯罪被害実態(暗数)調査」(平成24年)によれば、過去5年の性的事件において警察に被害届を提出したのはわずか18.5%だという。実際には、おそらくこの何倍もの声をあげられない「インビジブルな被害者」がいるはずだ。このnoteを書いている「あの女の子」もまた、家族からの性虐待という性暴力を受けたにも関わらず、警察に被害届を提出していない一人です。 細かい記憶を辿る記事などはまた改めて書くとして、この記事ではプロフィール代わりにファクトだけを記していくこ

          自己紹介|インビジブルな存在としての被害者

          わたしは、あの女の子

          #名前の由来 ジョンベネのニュースを初めて聞いたとき 虐待で死亡した子供のニュースを聞いたとき 性暴力やレイプなどのニュースを聞いたとき わたしは自分のことを重ね合わせる。 あの子は、わたしだ。 ・・・・・・・・・・ このアカウントで、noteとして自分に起きたことについて話すとき、アカウント名をどうするか迷いました。本名を晒すか、それともそれっぽい、女の子の偽名をつけるか。@被虐待児とかつけて、わかりやすくするか・・・。 結局、どのアイディアもしっくり来なかった。

          わたしは、あの女の子

          年末年始「家族の時間」という重荷

          年末年始というのは、機能不全家庭や虐待を経験した人間にとっては何とも気が重い季節だ。何しろ「家族と過ごす」ことが「当たり前」になっているこの時期。わたしもそうだが、帰る家がない・帰りたいと思える場所がない人にとっては、精神的に孤立しがちな時期なのではなかろうか。(少なくとも、わたしはそうです。) 「実家帰らないの?」 「顔見せないなんて親不孝だよ」 という、悪気のないコメントに、必死で笑顔を取り繕いながら、「そうですよねぇ」なんてヘラヘラしながら、早く別の話題になってほしい

          年末年始「家族の時間」という重荷

          自由になるために

          2018年に入った頃には、それまで押し込めていた感情に、いよいよ蓋ができなくなっていた。 当事者として発信したいと思い始めたのは、多分同じ時期だったと思う。世間では#Metooやフェミニズムが声高に叫ばれ、伊藤詩織さんのニュースに加え、岡崎の父親による実娘への性暴力に端を発しスタートしたフラワーデモが各地で開催されるようになっていた。当事者性暴力の被害者として、ますます声をあげる必要性を感じた。 わたしは性的虐待を受けて育った、虐待サバイバーです。 何かしらの形で発信した

          自由になるために