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チェック表の「やってる感」に惑わされずにミスを減らす方法

なぜなら、チェック表がきちんとチェックされているかという要チェック項目が増えるからです。
そしてさらに、チェック表を間違えてチェックした事による被チェック事項の精査という作業も増えます。
もっと続けると、チェック表を間違えてチェックしていないかチェックするために、被チェック事項と突合するという作業も増えます。
さらにさらに、チェック表をチェックすることが目的化し、本来の確認作業がおろそかになったりもします。
なんかもう嫌になってきました……。

チェック表の負の部分に向き合う

ここまで読めばもうご納得かと思いますが、ミスを防ぐためにチェック表を作るというのはあまり意味がありません。これまで定番のやり方だったかもしれませんが、あまり役に立たないどころか、むしろミスの起こる作業を増やしているだけの可能性があります。そうなると、無駄どころか有害です。
それよりも、工程にミスがあると先へ進めない等の、ミスを防ぐ仕組み作りに力を入れるべきなんです。

こういうことをリアルで言うと非常に嫌われますが、オブラートにくるみまくって何が言いたいかわからないような言葉でなんとか伝わるのを待つか、実力行使でチェック表を無視するかして、撲滅していくしかありません。撲滅しないと、いずれ大きなミスが起こった時に後悔するだけならまだしも、下手をすると謝罪会見を開かなければならなくなったり、減給されたりします!
「なんかトラウマでもあるのか?」と思われた方、ちょっと正解です。昔、同僚がパラメータの設定をひとつ抜かしてしまって大変なことになったのですが、作業チェック表にそのパラメータの項目自体が抜けていたということがあり、「チェック表のチェックはどうしているんだ!」と言い出した上司がいて…………以下略です。
嫌われることを恐れるな!
ちなみに私は「やらなくていいことはやりたくない」が座右の銘なので、後者の「チェック表を無視する」をもっぱら採用していました。
そうしていると、正義のチェックマンが「ここチェック抜けてます」とか、「次からここちゃんと書いてくださいね」とか、ご親切にも指摘してくれます。
私は揉めごとは嫌いですが忖度よりも合理性を愛しているので、「何のためにチェックするの? このチェック表は必要が無いと思うよ」とか言って嫌がられていました。嫌われることを恐れるな! 大事なことだから何度でも言う! でも嫌われると凹む。
でも、「何のために?」の後で、ちゃんと理由を説明しましたからね……。

チェックする意味が不明なチェック表

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この「何のために?」は、もう本当に何の意味も無いチェック表にチェックしろと言われたために出てきた言葉です。
このチェック表は次のようなものでした。

チェック表の形式:カレンダー形式の表に、コンビニ払いの収入データが入ってくる予定日に印をつけてある。

チェック方法:データが入ってきたら、備考欄に作業者のサインを入れる。

目的: 不明

目的が不明な理由:予定日はあくまで予定日であり、入ってこない場合もある。だからチェックすることは無意味だと言ったら、「予定通りに入ってきているか確認したい」とのこと。「それは何のために?」、「予定通りでないと(そんなことは普通にある)困ることはあるか?」という問いには明確な回答はなし。
しかも、データが入ってきた日はデータの日付でわかるから、取り込んだシステムで見ればわかる。システムへの取り込み漏れがあるかどうかは、生データの保存フォルダを見ればわかる。
生データが何らかの原因で廃棄されたり取得漏れがあったりしたら、銀行への入金時に金額が合わないことでわかるので、ミスがあってから数時間で判明する。いずれにせよ、致命傷にはならない。
チェック表でチェックする意味は全くない。

という説明をしても、私に「チェックしろ」と強要しなくなっただけで、彼らはチェックを続けていました。人間は合理性を追求するよりも、変化を恐れるものなのです。

ミスを防ぐためにはどうすればいいのか

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チェック表がミスを減らす役には立たないなら、ミスを減らすにはどうすればいいのか、と思いますよね。
それは、「ミスが起こりにくい仕組みを作る」です。大変ですが、これが一番です。というか、これしかありません。
①作業の手順を分解して、②手順のどこでミスが起こったのか確定し、③他にミスが起こる可能性がある箇所を洗い出し、④ミスが起こらない方法を考案してテストすることを繰り返し、⑤ミスの起こらない仕組みを再構築するのが、ミスを減らすための正しい手順です。
そうなんです。正攻法は大変なんです。だから「チェック表を作る」という安易な方向に流れるんです。

チェック表を作ってチェックするって、要するに「やってる感」なんです。

形になって目に見えるものですから、誰にでもわかりやすいんです。人は大変なことをするよりも、楽にわかりやすいことをする方を好みます。
しかも今の社会は、効率的に確実にやる人より「やってる感」を出している人の方が評価されるので、それはみんなチェック表作る方に流れます。当たり前です。

そんな中で、経営者や管理職はどうやって有害な「やってる感」を減らして実益に繋げていくかを考えないといけないんですよね。
自分が評価される側にいる間に、チェック表のやってる感に飲み込まれないで、ミスを防ぐための正攻法をとれる力をつけておくことが大切だと私は思います。
というわけで、最後にもう一度。
嫌われることを恐れるな!

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