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ラブレターの内容は覚えていないけどね

小学校高学年の時に、ある女子からラブレターを貰った。

当時、その女子とは仲が良かったわけでもなく、直接話をすることもラブレターを貰う前まで無かった。

自分から話し出せない彼女の周りには、彼女の恋を応援する女子が何人かいた。すぐに答えを出せなかった私を見て、彼女の周りの女子は彼女に「こうしてみてはどうか」と色々な提案をしていた。

彼女はその提案に従い、私に向かってこう言った。

「一緒にじゃんけんをしよう」

勝ったらどう、負けたらどう」みたいな決まりは無く、私達は意味の無いじゃんけんをした。勝敗は覚えていないが、じゃんけんを終えると、私達はお互いに苦笑いを浮かべて、彼女は友達の元へ戻った。

呆然としていた私の元へ、もう一度彼女がやってきた。

「一緒にしりとりをしよう」

私達はまた意味の無い遊びを繰り返し、同じようにお互いに苦笑いを浮かべ、彼女は友達の元へ戻った。

私達の仲は一切深まらなかった。

そういえば彼女の友達は、彼女に何かを提案する際に、にやにやと、彼女の恋を茶化すような顔をしていた。本気で彼女の恋を応援していたのだろうか。あの時、私は何か行動するべきだったのだろうか。

次の日の朝、登校すると、私が彼女から貰ったラブレターをびりびりに破いて捨てた、というデマが広がっていた。私がそんな風に卑劣であれば、私はあの時、じゃんけんやしりとりをしなかっただろうに。それ以降、私は彼女と話していない。私はどのタイミングでどう行動するべきだったのだろうか。

この話を道徳の教科書に載せてほしい。

2021年まで、あと262日。

いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。また明日お会いしましょう。

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長谷川 れすたうらんと/高校生
雑費として使わさせていただきます。何に使ったかを記事のネタにするかもしれません。