逆説

ファンコミュニティに入りたいファンはいない、という逆説

こんばんは。プロダクトマネージャーの星川です。

fanicon を始める 2 年前には「 ファンコミュニティ 」という言葉を殆ど聞かなかった、というより存在もしていなかったです。
近しい言葉で、さとなおさんの「 ファンベース 」があり僕も大きく影響を受けた良本ですが、そこでもファンコミュニティは使われていません。

しかし時を経て「 ファンコミュニティ 」は市民権を得つつあります。ロッテもファンコミュニティをパッケージで押し出すくらいには徐々に浸透してきてます。画像1

もしかしてファンコミュニティっていい出したの俺じゃね?とニヤニヤ。

しかし!普及してきた今だからこそあえて「 ファンコミュニティに入りたいファンなんて存在しない! 」と逆説を打ち出して、ファンコミュニティとファンの在り方を探ってみたいです。

「ファンコミュニティで交流できます!」って言われてもちょっと怖くないですか?w

入会を検討中のファンが「入会しよう!」となるトリガーはどこにあるのでしょうか?同じ人を対象に、入会前後の2つのタイミングでヒアリングすると、結構面白い答えが帰ってきたりします。

1 .  今まさに、入会しようとしているタイミング 
2 .  入会後に、少し経ったタイミング

1 . 今まさに、入会しようとしているタイミング
このタイミングってお金を 1 番最初に払うタイミングです。
そんな人に「 なんで入会を決意したのですか? 」と聞くと、「 初回特典があるから 」「 ライブ配信が見られるから 」「 ファンだから入るのは当たり前 」など、コンテンツかブランド目的だと答える人が多いです。

買う時はコミュニティの価値を買っているわけではなく、買ったらコレができる!という ”モノ” を買っているイメージなんですよね。

2 . 入会後に、少し経ったタイミング
入会後に少し経ったタイミングで、同じように「なんで入会しているのですか?」と聞くと「 他のファンの人達と一緒にアイコンを応援できるから 」「 この空間が好きだから 」「 友だちができたから 」など、コミュニティとしての価値に重きをおいた言葉が多くなります。

買ったときはコンテンツ・ブランドに価値を求めていたファンが、コミュニティ内での人間関係に価値を感じるように変化していったのです。

これは自分がコミュニティに所属した時を考えても、けっこう共感できるものがあります。僕は早稲田大学が出身校なのですが、入りたいと思ったのは友だちができるからではないです。なんとなくステータス的に格好いい(ブランド)のと、大学の授業が面白いんじゃないか(コンテンツ)と思ったから。
でも卒業した今思うのは、価値観の違う優秀な友達がたくさんできたり、大学でした楽しい経験こそが一番の価値だったんですよね。

(一緒にfaniconを 0 から作っているエンジニアは早稲田大学で出会った!)

これはまさに、入学前はコンテンツとブランドを求めてコミュニティ(大学)を目指したが、いざコミュニティに入るとその中でのコミュニティに価値を感じる良い例ですし、皆さんにも同じような経験が少なくとも 1 つはあるはずです。つまり、

コミュニティに入る前、ユーザーの目的は「コンテンツ / ブランド」にあり、入った後は「コミュニケーション / コミュニティ」に価値を感じて継続します。

じゃあfaniconの場合の価値の変遷はどうなってんのよ?

faniconでいえばより具体的に以下のような価値になります。

入会前

- 限定ライブ配信が見られる(コンテンツ)
- 入ってないと真のファンじゃない!(ブランド)

入会後
- ライブ配信時の一体感(コミュニケーション)
- ファンとの友人関係(コミュニティ)

入会前は一般的なファンクラブ特典のようなコンテンツやブランドがトリガーになり、入会後は友人関係等のコミュニティ要素が継続の鍵になっています。

fanicon にファンが入会するトリガーはコミュニティではない。しかし、入った後に感じる本当の価値はコミュニティにある。

と言えるんじゃないかなぁと思っています。

そうなるとファンの入会施策とかって実はコミュニティ内で仲良くできますよ、みたいなのはちょっと違うのかもなとか色々考えられたりするので、次回はここらへんを深堀りしていきたいところです。

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