〈スペシャルティコーヒー入門15〉スペシャルティコーヒーの酸味について考える Ⅰ
こんにちは、THE COFFEESHOPです。
スペシャルティコーヒーのフレーバー表現を深堀りしてご紹介するシリーズ。
今回は、スペシャルティコーヒーの表現における『酸味』ついてお話します。
日本スペシャルティコーヒー協会のHPにあるスペシャルティコーヒーの定義の中には「爽やかな明るい酸味特性があり…」という文言があります。
つまり、スペシャルティグレードのコーヒーには、味わいの中に酸があることが前提となるんですね。
■『フレーバーホイール』とは
前回のnoteでもご紹介した『フレーバーホイール』。フレーバーホイールとは、スペシャルティコーヒーの味や風味の表現方法をまとめたものでしたね。
スペシャルティコーヒー業界では、味や香りの基準としてこの図を活用することが多いです。
■SCAAフレーバーホイールの酸味表現
さて今回のnoteでご紹介するスペシャルティコーヒーの表現における『酸味』についてですが、どんなものがあるでしょうか?
スペシャルティコーヒーコーヒーに感じられる酸味を、大きく3つに分けると次のようになります。
それぞれ、リンゴ酸とは"青リンゴの酸味"、クエン酸は"柑橘系の酸味"、"酒石酸は"ぶどうの酸味"を指します。
もう少し分かりやすく表現すると以下のようなイメージです。
レモンの酸味であるクエン酸はわかりやすくイメージがしやすいですが、リンゴ酸、酒石酸は少しイメージしづらいかもしれませんね。
改めてSCAAフレーバーホイールを見てみましょう。酸味表現は[SOUR]というところになります。
先程、酸味の表現によく出てくる3種類をご紹介しました。Maric Acid(リンゴ酸)、 Citric Acid(クエン酸)、 Tartaric Acid(酒石酸)でしたね。
しかし、フレーバーホイールの中にTartaric Acid(酒石酸)が書かれていないのにお気づきでしょうか?
実はリンゴ酸とクエン酸は、コーヒー中の成分として実際に含まれていますが、酒石酸はコーヒーの成分としては含まれておらず、甘さや渋みなど他の要素と合わさることで、酒石酸のように感じるのです。
ですからSCAAでは、実際に含まれている酸成分のみを記載しているのかもしれませんね。
ちなみに、SOURの中にある他の項目は次のような意味合いになります。ポジティブな酸味だけでなく、ネガティブな表現も含まれているのがポイントですね。
■フレーバーと酸味は別軸で考える
SCAAの他に、アメリカでスペシャルティコーヒーを扱う COUNTER CULTURE COFFEE のフレーバーホイールもしっかりとつくられています。
こちらのフレーバーホイールには『酸味』という項目は独立して設けられておらず、酸味とフレーバーが別軸で考えられています。
THE COFFEESHOPでもフレーバーと酸の表現は分けて考えています。もちろん相関関係はありますが、別々に捉えた方がより立体的にコーヒーの味わいを表現できるからです。
例えば「柑橘系の酸味があり、赤リンゴの様なフレーバーもある。」という様なイメージ。別軸で表現することで、よりわかりやすく色々な角度から味わいを説明できるわけですね。
■まとめ
スペシャルティコーヒーの定義としてある『爽やかな明るい酸味特性』。一言で酸味があると言っても、実際には様々な要素が絡み合って美味しい酸味が作られ、表現されているんですね。
次回は、3つの酸味表現 『Malic/Citric/Tartaric』を、それぞれ食品添加物サンプルと実物のフルーツを用いてご紹介します。
今回もお読み頂きありがとうございます。
次回のnoteもお楽しみに!
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