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〈スペシャルティコーヒー入門17〉 スペシャルティコーヒーの『甘さ』とはなにか

こんにちは! THE COFFEESHOPです。
今回のnoteでは、スペシャルティコーヒーの甘さについて考えていきます。

スペシャルティコーヒーの『甘さ』は、酸味・フレーバーとともに重要な美味しさを示す指標となります。
ではその『甘さ』とは一体なんでしょうか。

※スペシャルティコーヒーの『酸味』については過去のnoteをご参照ください。

■スペシャルティコーヒーの定義から『甘さ』を考える

日本スペシャルティコーヒー協会SCAJでは、スペシャルティコーヒーの判定尺度としての『甘さ』について下記のように触れています。

コーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚。

甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。

又、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因―辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなる。

SCAJ 「スペシャルティコーヒーの定義」より引用

要約すると、コーヒーの『甘さ』というのはつまり以下のとおり。

・コーヒーチェリーの熟し具合に大きく依存
・糖分の絶対量ではなく、その他成分との複合的要素によって決まる
・ネガティブな風味がないことも大切

どうやらコーヒーの『甘さ』は、単なる糖度では測れないような、複雑な仕組みになっているようです。

■コーヒー豆に含まれる成分から『甘さ』考える

続いて、コーヒーの『甘さ』を、豆に含まれる『成分』から見てみましょう。
以下は、焙煎前後のコーヒー豆の成分をグラフにしたものです。

※グラフはおおよその割合の数値。
今回は甘さの考察のため、ポリフェノールやカフェインなどの微量成分は
その他にまとめています。

このグラフの項目のうち、実は味覚として『甘い』と感じる成分は少糖類のみ
名前に"糖"と付いていますが、割合のうちもっとも多くを占める多糖類には甘さをあまり感じません。
また、直接的な甘味成分ではないものの、甘みに繋がりそうな成分も微量に含まれています。ただ、割合としてかなり少ないため、グラフの"その他"の中に含めています。

こうしてみると、直接的な甘さ成分である少糖類は焙煎によって減少していることがわかりますね。
また、抽出する際にもコーヒー豆の成分をすべて取り出しているわけではないので、抽出したコーヒーの液体の中には直接的な甘味成分はあまり多くない、ということになります。

にも関わらず、私たちは美味しいコーヒーを飲んだときに『甘さ』を感じますよね。実は、コーヒーのもつ甘さの正体ははっきりとはわかっていないというのが事実なのです。

■「甘さの正体」とは?

では、甘さの正体が「味」ではないとしたら、どこから私たちは甘味を感じているのでしょうか?

近年の研究によると、糖類が加熱されて生じる香り成分『フラノン類』によって、味覚と鼻腔によって感じ取れる『風味』を『甘さ』として認知しているのではないかという説があります。
コーヒーを口に含んだときにフラノン類が鼻に抜け、その共感覚で甘さを感じるのではないか、という理論です。

ただ、この説もあくまでコーヒーに感じる『甘さ』のうちの一部分を説明しているに過ぎず、まだまだ不明な点も多いのが現状です。
おそらくは私たちが感じるコーヒーの『甘さ』は、香りや酸味、苦味、口当たりなどが複合的に混ざり合って生まれているのでしょう。コーヒーに関する謎はまだまだ奥が深そうですね。

■ 『No Sugar, But Sweet.』

仕組みを完全には解明できていないとはいえ、スペシャルティコーヒーは産地それぞれに異なる『甘さ』を感じることは事実。私たちTHE COFFEESHOPでは、生豆のセレクトから焙煎・抽出まで、特に『甘さ』を引き出すことを大切にしています。

そんなスペシャルティコーヒーの『甘さ』の個性を楽しんでいただくため、ROAST WORKS 店頭では基本的にお砂糖のご用意をしておりません。
コーヒー本来の甘さをぜひお楽しみくださいね!

◼︎THE COFFEESHOP
- ROAST WORKS
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営業時間:9:00-17:00
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電話番号 TEL.03-6407-1344
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