小説・『カラフル』を読み終えて
バラエティ番組を見ていて『ライフ・イズ・ビューティフル』という名称を目にした時、自分のハンドルネームである"ごはん(ライス、米)”が浮かび「ライフイズ……ライスイズ……」と思ったのが数日前のこと。そして今日、再び数分の熟考を経てたどり着いたそれは―――
ライス・イズ・ワンダフル!!
最近食欲マシマシで今日は脂質を摂りすぎて「明日体調に影響しないといいな……」と今から少しネガティブになっています。どうも、ごはんです。
米菓ってモリモリ食べられちゃいますね。口内がとってもオイリーだったぜ……。ところで数分の熟考ってそれ熟考じゃなくね?
昨年末に友人から勧められていた小説、森絵都さんの『カラフル』を本日2週間ぴったりで読み終えまして。1年以上ぶりの読書としてはまぁ悪くないペースだったんじゃないかと。
最後80ページは今日1日で一気読みしてしまったので一定のペースではなかったものの……でも≪じっくり一気読みの読書≫の良さを身に染みて感じましたね。時間を忘れて「あ、もうこんな時間!」なんて久しぶりで。
死んだ魚の目になってタイムライン遡って自己嫌悪に陥っているよりよっぽど良いね!
じっくり感想書くと読み返したりしてかなり時間かかってしまいそうなので軽く読んだ感想をば。
プロローグ。
既視感が凄まじい。え、初見のはずなんだけど……昔見た、アニメ映画化した時にやってたCMが印象的だったからですかね。死後の魂と天使が会話してるっていう構図は、現世と隠世が頻繁に入れ替わって登場する『ドラゴンボールZ』を思い出しました。あの世界の死の扱いとってもライティー……。
現世(うつしよ)と隠世(かくりよ)は『うたわれるもの』のWikipediaとかで覚えましたね。ちょっと使いたくなっちゃう。
あまりロマンの無い話ですが、自身のことを忘れてるけど一般知識などが残っているのは『エピソード記憶』がまるっと無くなってるってことなんですかね。よし、ロマンを求めていこう。
この『カラフル』という作品、プラプラが読者や主人公である〈ぼく〉をある種ミスリードしていくというか、プラプラがのたまう言葉たちを丸々信じていると、読んでる途中で「コイツもしかしてただのガイド役じゃない……?」みたいになってきますね。冒頭の小林一家の紹介、そこから既に試されていたんだな、というか。さすが魂の修行と言われただけある。
プラプラが序盤で〈ぼく〉にホームステイ先の家族のことを紹介していますが、途中から「あの紹介、プラプラの感想含めてのものなのか、客観的事実だけなのか、それとも小林真の主観によるものなのか」という感想が浮かんできて。「親切に事実だけ教えてるわけじゃないなアイツ」というのがうっすら分かってきて。
そんなところがちょっとしたミステリー作品みたいな印象も受けましたね。
〈ぼく〉の正体が誰であるのか、生前の罪とはなんなのか、借り受けている〈小林真の体〉が他人事であるが故に「変わった」理由、兄・満が志望大学を急に変えた理由……それらは予想通りの結果だったので大きな衝撃は受けませんでしたが、予想の当り外れにワクワクもしながら読めましたね。そういう楽しみ方にも途中から気付けました。
生前の罪がなんなのか。〈ぼく〉の正体が予想しているものだったとして、後半を読みながら「そうだったとしたら、まぁ大罪だわな……」と思いましたね。再挑戦序盤の家族への印象が全てだったというか、モノクロに見えていた世界は実はカラフルでした、とでも言いますか。
正直、もう10年早くこの『カラフル』に出会っていたかったなぁ……と少し後悔の念が押し寄せましたね。
でも、10年前の自分なら〈ぼく〉の罪が大罪と言われる所以も察せていなかったかもしれないし、桑原ひろか関連のホテルも「ホテル?え、ホテルってあのお泊りするホテルだよね?」となっていた可能性がかなり高いんですよね。そんなことを思うと、恐らく10年前に触れていたら作品への解像度はもっと低かったんだろうな……と。
それでも、分からないなりに自分がどんな感想を持っていたんだろう、とは気になりますね。同じ人間であるはずですが、他人の感想を気にしているような不思議な感覚。どこかこの作品に通ずる所があるような無いような。
小説でもアニメでも映画でもなんでもそうですが、以前から思っていることがありまして。
「何を見る(読む)」かはもちろん大事だけど、「いつ触れるか」も同じくらい大事
『Fate』シリーズをしっかり履修したのはここ数年のことですが、10年前に『Zero』を見ていたら「切嗣の影響めっちゃ受けてただろうな……」と想像もできますし、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』に2013年に触れていなかったら「違う自分がいただろうなぁ……」とも思いますし。まぁ人生そんなもんですよね(急な投げやり)
閑話休題。
真の母親からの手紙を「~みたいなことが書いてあった」で終わらせるのではなく、しっかり全文を地の分で書ききっていたのは正直けっこう衝撃的でしたね。大きな衝撃受けてんじゃねえか。
キャラクターの作り込みが凄いというか……相当なエネルギーを注ぎ込まないと作れない作品だろうということは、手紙の件で特に思いましたね。森絵都さん半端ないぜ……。
感想軽くいっちゃうよ~と言いつつ、改めてパラパラと本をめくっていると次々感想が浮かんできてキリと時間が無くなってしまうので、ここらで感想を終えようと思います。
この『カラフル』を勧めてくれた友人は小学生の時に読んだらしいのですが、どうやらかなりの衝撃を受けたようで……ピュアな小学生だと色々衝撃的だろうね……( ˘ω˘ )
読書メーターという読書管理サイトを覗いてみると、作品自体そんなに最近のものでもないのに日々感想が投稿されていて。≪不朽の名作≫と言われるだけあって、いわゆる『読むべき作品』なのだろうなぁと思います。あ、「〇〇すべき」の押し付けはBADですよ!
ラノベに慣れているので作者の〈あとがき〉が無くて関係者の〈解説〉があったのは新鮮でした。我も読書ペーペーということなのだな……。
この記事で糖分はいくらか消費したかもだけど脂質は仲良くしていくしかなさそうだなぁと思いつつ。あ、まだ風呂入ってないじゃん……(絶望)
いい夢見ようぜ!