目が眩まないように
豆も牛乳も無い。
「急に忙しくなったので発注が追いついてないんです。」
そんな事を常連さんに話したら、
「じゃあ閉めるしかないですね、豆も牛乳も他のじゃ駄目ですし。」
と、言ってくれました。
分かってくれている。
それだけで嬉しくなります。
伝え続けてよかった。
そんな事も思いました。
あと、ここで手を抜いたら駄目だとも。
豆も牛乳も近所に売ってます。
でも、それじゃ駄目でして。
今は一見さんが多いからばれる事はない。
でも、それを美味しいと言ってもらえても嬉しくないし、罪悪感に押しつぶされる。
僕は真面目なので。
目先の売上に目を眩ませないように。
最後の一袋となった豆をグラインダーに入れ、残り数本の牛乳が入った冷蔵庫を見る。
目が眩みそうだ。
いろんな意味で。
納品よ、間に合え。