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読書感想文 『幸福を見つめるコピー』

職場の同僚、と言える方が読んでいた本。

著者はコピーライターの岩崎俊一さん。


昔からそういう感触はあるのだが、僕は結構言葉が好きです。

そして最近は、より好きになってきました。


読書感想文というものを書き残すようになってから、言葉として表現することは、考えを整理すること、そのものだと思うようになり、至る場面で僕の人生を豊かにしています。


そんなこんなでこの本。


コピーライターの職業ってともすれば、勘違いされそうだけど、僕的には憧れのある尊敬できる存在です。


200個くらいのコピーとエッセイが載っていてどれも素晴らしいのだが、僕がこれは素敵だなと思ったコピーを紹介したいと思う。


服は、肌より先に抱きしめられる


百貨店のコピー。

あ〜確かにそうだよなぁと。

こうなると新しい仕立てのいい服買いに行こっ!って気持ちになるよなぁと。


押し付けがましくない形で、提供者と顧客を結べるなんて、とても素敵な職業だと思いました。


数々のコピーを見ていくうちに、僕が心打たれるコピーにはどんな傾向があるのだろうか、と分析したい衝動に駆られました。

敢えて3点挙げるなら

・タブーに触れる

・逆から見る

・押し付けがましくない

です。


タブーに触れる

人が日常に出会う情報はめちゃめちゃ多い。多すぎるくらいだ。

一つ一つの情報に構っていられる時間なんて、本当にコンマ何秒の世界なんじゃないかと感じている。

だからこそ、ハッとさせられる、ギョッとさせられる表現がアイキャッチのためには必要になってくるんだと思う。

そんでもって中身を見てみると、人間を思う温かいメッセージであることを知り、そのギャップに引っかかってしまうのではないか、と思った。


逆から見る

さきほども書いたように、当たり前のことをコピーとして書いていても人の目にはつかない。

普通、と思われている感覚と逆のことを言い表すことで、人に考える余地、時間が生まれる。

そして考えてみると、確かにそう言えなくもないな、というむしろ新しい真理を読む人に与えることができる。

時間を使った真理の発見という体験は、誰かに言いたくなってしまうモノだったりしないだろうか。

中々いい例が思い浮かばないが、例えば『空気』。

空気は誰にとっても普遍的に必要でありすぎるために、意識されない存在である。

だからこそ、その『空気を吸う時間を作る』ことを表現したり、
『意識しないで呼吸できますか?』と投げかけることで逆に意識化させたりすることができるんじゃないか、と思う。



押し付けがましくない

前述した通りですが、コピーに ”お金の匂い” がした瞬間、人は冷めると思う。

押し付けがましくなくさせるには、コピーを企業が発したメッセージとして受け取って貰うのではなく、まるで自分が発見したかのように感じて貰う必要があるんじゃなかろうか。

その技術たるや一言では語りつくせないだろうが、敢えて考えてみる。

一つヒントがあるとすれば、"企業や商品を連想させる=お金の匂い" なんじゃないか、ということ。

コピーの中にはそれらが入らないことが望ましいのではないか。

逆に、どうやったら顧客自身でコピーから商品を連想したかのように感じてもらえるか、僕なりの答えはこうだ。

生活風景、心情風景を描くことで、その快適な状況を得るためには何をすればいいか、何が必要かを想像して貰う。



まとめ

読み始めた時思っていたよりも、分析が深くなってホクホクしています。

何かを伝えたい時、タブー・逆転・押し付けがましくない、を意識して表現し、
相手に考える時間を与えて、相手起点で行動を起こすことでモノゴトはうまく進んでいくのではと感じました。



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