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読書感想文 『デザインリサーチの教科書』

キッカケ

著者 木浦さんのウェビナーに参加して、「これは・・・!」とビビビしたため、確かウェビナー中にこの本を発注した。


現在僕は、ユーザーをリサーチして分析しコンセプトを作って製品開発の流れを作ることに興味がある。

その背景として、製品開発で


「これ何のために作ってるんだっけ?」

「これは誰に向けて作っているんだっけ?」


という場面が少なくなく、開発メンバーのモチベーションに影響している、ひいてはそれが組織・会社の雰囲気に繋がっている、と考えるからだ。


生産者のわからないお肉や野菜に抵抗があるように、どこにルーツのある情報かわからないものを料理して、それをお客さんに提供する、というのは心をチクチク痛める原因になるんじゃないかと思う。


とにかく素材が腐っていたら、いい料理人でも十分に能力を発揮できないと考えるので、ユーザー情報という良い情報を仕入れる流れを整えたい、というモチベーションが今ある。


気づき

1. Life-Centered Design

2. インサイト抽出のポイント

3. How Might We のコツ


1. Life-Centered Design

Human Centered Design の概念をさらに拡張したもの。

人間のために製品を作る、という考えを拡げて、その人の人生・生活・命も考慮してデザインする、という考え方。

最近自分が考えていたことと重なる部分があったので、とても共感できた。

人間がある製品を買ったとしても、常にそれを使っているわけではない。

車だってPCだってスマートフォンだってそうだ。

それらの組み合わせで人生がある。

そして、人間は時間と共に変化する。

体型は変化し、考え方も変化・成長する。

そんな、人の人生に寄り添うようなものを作る、というのが、本当のモノ作りなんじゃないか、といまは思っている。

使い捨てられてしまうものは、環境にもよくないし、ユーザーを消費の渦に引き込むリスクもあると思う。

消費は気持ちいいが、それが本質なのかどうか、はだんだんみんな気づいてきているんじゃないかと思っている。



2. インサイト抽出のポイント

インタビューや観察データからどうやって洞察するか。

そのインサイトをチェックするポイントが3つあった。

・ 文章を読んで状況を理解できる
・ イノベーションのヒントとなっている
・ 新規性があり、容易に予測できないこと

”容易に予測できない” という点が興味深い。

というのも、例えば ”容易に予測できること” を考えた時、それは

1+1=2

みたいに完全に問いと答えが一致していることになる。

それはどんな複雑な高次方程式でも解が一つであることと同じだ。

つまり、ロジックで誰もがたどり着く答えには価値がない、ということでもあるのではと考える。

ユーザーのデータはある程度、誰でも一定の量を手に入れることができるが、インサイトは結局

ユーザーの生の声 + 自分のセンス = インサイト

となる。

要は、自分のセンスが ”容易に予測できない” 限り、他とは違ったインサイトになる可能性が高い。

それはセンスは知識、経験、考え方、環境に影響されるので、それを磨くこと、が良いインサイトへの近道なのかもしれないと思った。


3. How Might We のコツ

課題に対して、自分たちがどうやって解決できそうか、と考えるのが、
How Might We である。

いくつかあったが、個人的に大事にしたいと思ったのは、

原因の立場になって考える

だ。

子どもは大声を出したりしたがるが、それを「やめなさい」というだけでは、根本的に ”やめること” には繋がらない。

「やめなさい」圧力がなければ再開するだけだ。

大声を出す環境を用意したり、大声を出したくない環境にしたり、他の方法でエネルギーを発散できるようにしたり、そういう仕組みがデザインなんだと思う。

デザインにはコミュニケーションが潜んでいる。


やること

生活や人生を豊かにする、という信念は持ちつつ、それを発信していく。

インサイトは、容易に予測できない曲者感があるか、確認する。

反対側から考える行動をして、習慣化する。

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