【こころ #74】障害のある友達が自分に居場所をくれた
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽
星野 あずみさん
星野さんは、知識・スキル・経験といった得意を売り買いできるスキルマーケットとして知られる『ココナラ』で、「福祉の寄り添いサポーター」として数多くの方の相談を受けている。提供するのは、社会福祉士として発達障害や知的障害に24年間も携わった豊富な知識・スキルや、並行して10年間も自ら家族介護に取り組んだ経験だ。
星野さんは、小学生のときから「今思えば、寄り道すればよかったかと思うぐらい、何も迷うことなく福祉一本だった」。きっかけをくれたのは、3年生からクラスメイトになった、重度の知的障害のあるAちゃん。
「引っ込み思案で、写真も一番端に映るタイプ。聞き役として輪に入っていればなんとか不安は少なくなっていた」という星野さんは、ランドセルを一緒に整理したり「友達のAちゃんができないことを一緒にやりたくてやっただけ」なのに、先生や他の友達が共感を示し「すごいね」と言ってくれた。
「Aちゃんがいてくれるおかげで、自分は楽しいし、みんなも集まってくる。自分の居場所を見つけてくれた気がして、救いになったんです」
そこから、宮城まり子さんが設立した肢体不自由児のための療護施設として有名な『ねむの木学園』の本にも出会って虜になり、子どもたちが描いた絵の個展や美術館にも足しげく通うようになる。高校生になれば自ら、友達と連れ立ってボランティアにも励んだ。
さらに「好きな勉強ができて、楽しくて仕方がなかった」と進んだ福祉系の大学では、卒業に必要な単位の1.5倍もの単位を取得する。かつて引っ込み思案だった女の子は、Aちゃんが拓いてくれた興味のままに、卒業式で同期640名の総代を務めるまでになっていた。
しかし、星野さんは社会に出て、社会福祉士として数多くの苦い経験もすることになる。
知的障害者が通う福祉作業所の立ち上げにも関わった。一つ目の施設作り・二つ目を街の近くにつくる。そんな度に近隣住民の方からの反対にあい、認可まで長期間を要したり、「奇声が聞こえて眠れなくなったらどうするのか」などひどい言葉を浴びせられたこともあった。
福祉サービスを受けるためには、当事者が何を目標にどんな作業を行うか考える「計画相談支援」が必要になる。国から支援事業者に入るお金は少ない中で、その支援が必要な当事者さんは大勢いるにも関わらず「上司から儲からない事業と言われたのがショックだった」。それでも多くの方に対応しなければならない。さらに、「計画相談事業はしているものの障害の専門家がいないため、介護の計画をつくるケアマネージャーさんが数日間研修し、障害について知らない中でカバーするようなことも見てしまった」。
さらに、そんな状況では「儲からないから、新しい事業として始めようという新しい事業者も出てこない」。結果的に地域に競争も生まれず、田舎では事業所が少なく、利用者にとって選択肢がなく事業所も変わろうとしないなど、地域間格差も見てきた。
結果的に、当事者さん一人ひとりをしっかり見るという理想からかけ離れていく。星野さんにとって、「一番大事なところができない気がした」
そうした想いも、現在の「福祉の寄り添いサポーター」という向き合い方につながったのかもしれない。知的障害や発達障害に長年携わってきた福祉サービスの支援者側でもあり、ご自身でも介護の福祉サービスの利用者側でもあった星野さんのもとには現在、全国各地のみならず、海外からも多くの相談が寄せられる。
中には、行政の相談場所さえ知らない人も多く、知っていても「まだ自分で障害を受け入れられていない人にとって、障害という看板がついた相談センターの門をくぐるのは勇気がいる」。さらには、思い切って行政の窓口に行っても「担当課が違う」「障害者手帳を取ってから来てほしい」などと扱われ、二度と行かなくなってしまうケースも見てきた。
だからこそ、星野さんは、そんな人達にとって「まだ、どこにもつながっていない人の駆け込み寺」や「近くで併走できないけれど、遠くても頼ってもらえる存在」になりたい。
星野さんの原点は、小学校3年生の時に知的障害のある友達のAちゃんを自然に手伝ったことだ。もちろんその時と、社会の環境や制度も大きく変わった。でも、星野さんが行きついた、現在の支援の方法は、一人にしっかり寄り添う原点回帰とも言えるだろう。
そんな星野さんの知識・スキル・経験がより多くの困っている方々に届いてほしいし、そこから新しい福祉制度のあり方のヒントもあるのではないか。Inclusive Hubもそんな経験の流通やそこを起点にした制度の見直しにも貢献していけたら嬉しい。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽