もうわたがしになりたいとは思わないけれど
私たちはBeatsです
私たちは感情を音楽を通じて分かちあう
ソーシャルミュージックアプリBeatsというサービスを作っています。
このノートでは
アプリの根幹として提供したい
自分の体験・感情を
そこに共鳴する音楽にのせて
昇華することができたらと思っています。
仲直りしたくて送ったLINEの既読はつかなかった。
4月。同棲して2年。
4日前の喧嘩から
家ではまともにしゃべることもできなかったから
勇気を出して映画に誘った
昼前に送ったLINEは
夜になっても既読にならなかった。
きっと忙しいんだろう、
そう言い聞かせて
一緒に食べられるようにと
ちょっと奮発して買った
成城石井の惣菜たち
帰ってきそうな時間に合わせて
温めておいたけれど
すっかり冷めきって
時計は11時を指そうとしていた。
なんで?
昼前に送ったLINEは気がつかないけど、
仕事終わりに友達からきた連絡には気がついた
なんてことある?
4日前の喧嘩の理由も
あなたの予告のない朝帰りだったはずなのだけど…
いてもたってもいられなくて電話した。
何度やっても電話には出なかった。
30分経ち、
1時間経ち、もう終電もない。
1時になり2時を越え、
午前4時。
ドアが開く。
彼女はしゃべらないが
怒っていることを
オーラが告げている。
黙ったまま風呂に向かう彼女に
もうわかりきった、
でもわかりたくないことを聞く。
「本当は誰と遊んでたの?」
『…………』
「4日前と今日と、同じ人?」
『……そう』
もう二度と戻れない瞬間を越えて
もともとふたりで寝るには狭いセミダブルのベッド。
7時半には仕事にいく彼女は
さっと風呂から上がって眠っていた。
僕はベットに入れず床で丸くなっていた。
この部屋は彼女の名義で借りている。
もうこの家から出ていかなくてはいけない。
あとはどうしたら彼女の記憶に残れるかを考えていた。
彼女が家を出るまで、一睡もできなかったけれど
惨めで起き上がることもできなかった。
久しぶりに聞いたいってきますは、
多分もう二度と聞くことはないのだろう。
片付けはものの15分で終わった
僕の荷物なんて大して無くて、
それがなくなったとて
この部屋の景色は何も変わっていなかった。
惨めに丸まりながら立てていた作戦を
反芻する。
歩いて5分のカーシェアに荷物を積み込み、
誕生日にもらってから
ずっとつけていたブレスレッドと
手紙をこたつテーブルにのこして部屋を出た。
鍵をポストに入れたとき、少し泣きそうだった。
一日上の空で仕事は手につかなかった。
気がついたら夕方だった。
彼女は帰ってきてるだろうか、
手紙は見てくれているだろうか
それとも誰かに昨日の愚痴を聞いてもらっているのだろうか。
荷物を積んだ車で実家までの運転中、
本当は彼女に言いたかったことが
どんどん出てきて
叫びながら泣いていた。
夢破れて
実家からは海が見える。
大型連休。本当はいろんな楽しいことがあるはずだったのに。
当然全ての予定がなくなり
上の空でぼーっとしながらPretenderを何度もかけていた。
誰もいない家で潮風に吹かれながら
胸の辺りで砂時計が落ちていくような感覚と
足元がぐらぐら揺れてまるで自分の全てを否定されたような感じ。
あれから数年経って、ふりかえるまでもなく、
当時も自分自身めちゃくちゃ痛いやつだと思っていたけれど
書き起こしてもやっぱり激イタですね。
いまは辛いかもしれないけど、時間が解決してくれるから。
そんな言葉をかけられても
いや今がつらいのよ、と思っていたけれど
やはりこういう問題はなによりも
時間が解決してくれるみたいです。
Beat
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