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ユリノキ

風が大きなユリノキの葉を揺らしていた。
師と友と私と、
川の字になって芝生に寝転がった。
雲の中に白い太陽が見えた。

師が話し始めた。

人生は山登り。
霧の中を歩くことになるときもある。
その時は、何も見えない。
行く道も来た道も。
でもそれは、道がなくなったということではない。
道はある。
そして、霧はやがて晴れる。

友が「私、今日が最期の日でもいいな」と言って笑った。

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