✨ひとり旅小豆島編5 寒霞溪で石ガールと出会えた幸せ前編✨
🍀このお話は、小豆島編1234から続きます。
初めて読む方は、よろしければそちらから先に読んでいただければ幸いです。☺️🌈✨
寒霞溪とは、1300万年前の火山活動のよってできた安山岩、集塊岩などの岩石が長い年月の地殻変動や侵食により、聳り立つ奇岩怪岩の絶景を作ってきたところ。
観光バスでその山頂まで行き、降りるのはロープウエイで景色を楽しみながら空中散歩というコース。
山頂に着くと、1時間ほど自由行動。さて何しようかと周りをキョロキョロ見渡せば、映画 「八日目の蝉」のロケ地があった鷹取展望台という看板が目につき、5分ほど歩けば着くとのことでそこへいくことにした。
うっそうと草木が茂った狭い山道をしばらく歩いていけば、見晴らしの良いところにでた。
誰もいない静けさの中、小さな展望台の木製の短い階段を登り、そこから眺める景色。
う〜〜ん、気持ちいい!
山の緑の端から町並みへと続き、そしてその向こうには水色に光るどこまでも広がる海。
木製の柵に両肘をついてぼおっと眺めていると、人の気配が背後からしたので振り向けば、そこにはメガネをかけシュッとした1人の山ガールが立っていた。完璧な登山ファッションに大きなリュックを背負っている。
「景色がきれいですね。」
「そうですね」
「登山道あったんですね、どの辺から歩いてこられたんですか?」
彼女は向こうの山を指差し
「あっちの方に1時間ほど登山道あるんですよ」
「へえ、そちらもいい景色でした?」
その質問に彼女の目の色は変わった。キラキラ瞳を輝かせ
「ええ。こおーーんなにものすごく大きくてステキな形の石がいくつもありましたよ。私、石が好きなんです。小豆島はいくつもの石切場があって、そこへも行ってきました」
両手いっぱいに大きな丸を作っている彼女は、実は石ガールだったのだ。自然石の良さがわかる人が目の前にいる。うれしくなってにっこり微笑む。長年のお寺の生活で培ってきて、楽しみの一つが自然美を愛でるということ。日本庭園では、人工で切り出したものでなく、自然にできた大きな石を置こうとすると、物によっては何百万もする。それだけ自然でできたものは貴重なのだ。それから、石仏は普通石屋が彫って作るものだが、この石仏を自然の力で作ることもできる。
雨が降ったり、さわのそばから落ちてくる自然の水滴の下に石を置く。何年も何十年もかけて水滴があたり続けることで、そこが削られ石に形ができていくのである。できてきたら、また石の位置を変え、そこからまた何年もかけて自然に彫ってもらう。完成に一体どのくらい時間を要するのか、気の遠くなる話しでもあるが、出来上がった自然の作品はなんとも言い難い味わい深い作品となる。
(見に行きたい!でも観光バスの集合時間には間に合わない)
無理だと思った瞬間にあることを思いついて、思い切って尋ねてみた。
「あの、初対面なのにすいません。もしよろしければ、その石の写真撮ったのがあれば見せていただけると嬉しいんですけど」
「もちろんいいですよ。こちらこそ見ていただけたら嬉しいです」
なんて、謙虚でいい子なんだろう。
彼女はニコニコしながら携帯をリュックから出していろいろ見せてくれた。
確かに面白い。大きな石が、転がりそうなのに、絶妙なバランスでおちずにその岩場にあったり、いくつもの不思議な形、そして石のもつ自然のエネルギーだろうか、迫力が画面から溢れている。
「素晴らしい!!」
「そうでしょう!」
2人できゃあきゃあと天然石で盛り上がる。
「他の石切場もすごく大きな石があって素晴らしかったですよ」
その時のことを思い出し、うっとりと語る彼女に
「車でまわったんですか?」
「それがね、もともとは自転車かバスでまわろうとしてたんです。そうしたら、すごくいい人と出会って、、、」
その後に続く彼女の話しに私はびっくり。世の中こんなこともあるんです。
それは、、
〜〜次回に続く〜〜