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【vol 8】偏差値30台から早慶上智合格へ👀! 甲子園を本気で目指す高校球児だった息子の子育て【認知能力・非認知能力】から見た「育ち」の検証
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第二章 が書けましたので
一項ずつアップさせていただきます。
今回は第三項です。
編集者の方には
投稿することを許可していただいています。
校正などで内容が変わることも
あるかもしれませんが
今後も書けたところから
こちらに上げていく予定です。
ここからが原稿となります。 ⇓
■第二章 心理学・認知能力・非認知能力の整理と確認
◆非認知能力について
最近、よく耳にする「非認知能力」という言葉。「非認知能力」とは、いったいどんな力なのでしょうか。
非認知能力の研究は、心理学と経済学が融合する形で進められてきました。そして、シカゴ大学教授を務め、2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンの一連の研究が、注目を集めるきっかけとなりました。ヘックマンも言及しているように、これらの力をより良く育み人生に生かすためには、幼少期の育ちが鍵になります。非認知能力にも実は諸説あり、学派や文献などによってカテゴリーも異なります。そうした背景も踏まえつつ、この本では、早稲田大学の小塩 真司(おしお あつし)教授が編者となり2021年に初版が発刊された『非認知能力』という本に基づくカテゴリーを参考に、息子の育ちと照らし合わせていきます。
小塩先生は、2009年の夏、先に述べたシカゴ大学教授のヘックマンの学会発表をリアルタイムでお聴きになり、まさしくその場で、当時まだあまり知られていなかった『非認知能力』が、今後のパーソナリティ心理学に大きな影響を与えると直感されたと述べられています。それからわずか10数年ほどの間に、「非認知能力」は世界各国に広がり、ここ日本でも、多くの人に幅広く認知されるようになりました。書籍も数多く出回っています。身近なところでは、福島県出身で現在アメリカ在住のライフコーチ、ボーク重子さんが、娘さんの子育てについて書かれた『「非認知能力」の育て方』という本が、比較的分かりやすく読みやすいのではないでしょうか。
小塩先生が編著された本の中では、「1誠実性 2グリット 3自己制御・自己コントロール4好奇心 5批判的思考 6楽観性 7時間的展望 8情動知能 9感情調整 10共感性 11自尊感情 12セルフ・コンパッション 13マインドフルネス 14レジリエンス 15エゴ・レジリエンス」の15ものカテゴリーが示されています。ここでは、カテゴリーを絞り、息子の育ちに関連性の深い、「①誠実性 ②グリット ③自己制御・自己コントロール」の3つを中心として捉え、さらに受験期を乗り越えた時期と結びつきが深い、「④レジリエンス ⑤レゴ・レジリエンス」も関連付けて述べていきます。著者の先生方のお言葉をお借りしながら、わたしなりに読者の皆さまに分かりやすい形にして、それぞれの特質や特徴を解説していきます。
① 誠実性 ~課題にしっかりと取り組むパーソナリティ~
学校の宿題や家族の中でかわす約束事、会社で課されるノルマ、公共の場でのマナーに沿った行動など、これら「取り組むべき課題にしっかりと取り組む」ということに関する特性で、生涯にわたって発達し続けるパーソナリティ特性である。成人の誠実性の個人差の約40パーセントは遺伝的な要因によるもので、残りの60パーセントは環境によるものと言える。幼少期に誠実性を伸ばす教育的介入を行うことで、その生涯発達的な効果はより大きなものになる。
② グリット ~困難な目標への情熱と粘り強さ~
人は「そうするのが自分らしい」と思えると、達成の難しさや負担感があっても粘り強さを発揮するという側面がある。そうしたことから、アイデンティティ、「自分らしさ」が、グリットを強くする要因だと考えられる。グリットの強さを表す代表的な人物に、スケートの羽生結弦(はにゅうゆづる)選手が挙げられる。「努力の粘り強さ」という点で、グリットには「誠実性」と相関関係がある。グリットを内在する人の特徴として、「長期にわたって関心がぶれないこと」や「努力の粘り強さ」、また、困難や失敗を「学びや改善につながるもの」と認識できる力をもち合わせていることなどが挙げられる。さらに、成長マインドセット(能力は努力や工夫で開発されるという信念)をもち合わせていることも目標達成への鍵となる。
③ 自己制御・自己コントロール ~目標達成に向けて自分を律する力~
より良い人生を送るための鍵となる概念である。個人的な目標、たとえばダイエットや、社会的な目標、たとえば他者との良好な関係維持などに沿って、自己の認知・感情・行動を制御する力のことで、普段の何気ない経験そのものが、自己制御の成長につながる。自己制御は「人生最大の強み」とも言われるほど、ありとあらゆる身体的・心理的・社会的適応と関連している。
④⑤に移る前に、ここで一旦①②③を関連付けて述べておきたいと思います。社会生活を営む上で大事な個人の枠組みとなるのが「誠実性」、また、忍耐力が問われる場面では「グリット」が重要な働きを示します。さらに、誘惑や気を散らすものがある日常的な状況には「自己制御・自己コントロール」が関係してきます。他と違い、グリットには上位目標が存在するため、目標に至るためのより多くの道筋をもたらしてくれます。当時の息子のこと例に挙げると、何としても大学で野球をする(上位目標)、そのための志望校合格に向け、食時の量や時間、睡眠や学習規律、一日に自分に課す学習の量など、当時徹底した自己管理を行っていました。また、志望校合格に向け、予備校のメンターの方とのやり取りを計画的に行ってもいました。これらの経緯については、さらにこの本の中で具体的に触れていきます。引き続き、「④レジリエンス」と「⑤エゴ・レジリエンス」について述べていきます。
④ レジリエンス ~逆境をしなやかに生き延びる力~
「心のしなやかさ」などとも表されるが、一言で言うと「回復力」、つまり「立て直していくことのできる力」のことである。経済的に苦しい家庭状況にあるなど、不自由な環境に置かれていても、日々の生活に豊かな楽しみや喜びを見いだすことのできる力も、レジリエンスに相当する。本来は、逆境下で生き延びることのできる力のことを指すが、現在、社会一般的には⑤で述べる「エゴ・レジリエンス」と同じニュアンスで使われることが多い。レジリエンスの高い人は、強い信念に基づく目標を抱くことによって、目標達成に向かって具体的に計画を立てて成し遂げ、成功や幸福を手に入れやすいといった研究結果も見られる。これらは、逆境の中でいかにポジティブ感情に重きを置いて自分の「強み」を有効に活用しようとしているか、また、その人がもともともつ、自己肯定感、自己効力感とも関連性があると言える。そうしたことから、レジリエンスは誰もが身に付けるべき力として、教育的文脈でも語られるようになってきている。
⑤ エゴ・レジリエンス ~日常生活のストレスに柔軟に対応する力~
日常の中で誰もが経験するストレスフルな出来事に対して、自己を抑制したり開放したりしながら、最適なレベルに自我を柔軟に調節、修正してストレスに適用する調整力のこと。エゴ・レジリエンスが高い人は、そのモードの切り替えが上手で、遊ぶときは遊び、勉強すべき時はそれに集中できるため、結果的に課題に対してもよい成果を収めることができる。生後18か月時点で母親への愛着が安定していた子どもは、4~5歳になってからのエゴ・レジリエンス得点が高い傾向を示す。つまり、エゴ・レジリエンスを育むには、幼少期の母子間の愛着が安定したものであることが大切である。成人期ではエゴ・レジリエンスが高いほど、心理的幸福感が高く、夫婦関係および身体的健康が良好である。エゴ・レジリエンスの高い母親のうつ傾向は低く、子どもに基本的生活習慣をしっかりと身に付けるしつけをしている。エゴ・レジリエンスが高い人は「感情の敏捷性(変化する環境に非常によく適応し、相手の感情の動きを上手に察知して対応できる力)」に長けている。「自己の感情や行動を統制する力」は、日常生活の中でのさまざまなストレスに対して自分の行動をコントロールする力が必要であり、まさにこれは非認知能力の一つであるエゴ・レジリエンスが該当すると言える。
ここで、「レジリエンス」と「エゴ・レジリエンス」の違いを整理して振り返ってみたいと思います。レジリエンスは「逆境で脅威となる状況にもかかわらず、その状況にうまく適応する過程、能力」であるのに対し、エゴ・レジリエンスは、「日常生活における内的、あるいは外的なストレッサーに対して柔軟に自我を調整し、状況にうまく対処し適応できる自我の調整力」です。例を挙げると、レジリエンスが災害や事故などからの回復や復活を表すのに対し、エゴ・レジリエンスは日常的なストレスや困難な状況を、オーバーコントロール(自己抑制)また、アンダーコントロール(自己解放)を上手に用いてバランスを取り、適応状態へ向かわせる働きのことを指します。ともにつらい状況を乗り越える力という点では共通していますが、レジリエンスは逆境という非常につらい状況を前提としていて、エゴ・レジリエンスは日常生活におけるさまざまなストレス状況を前提とした概念であるということを押さえておいていただけると良いかと思います。
実は、書きながらある記憶が鮮明に蘇っていました。93年の長い人生の義母の暮らしぶり、生き方がまさにエゴ・レジリエンスを体現していました。どんなにつらい状況にあっても、常に前を向いて物事に柔軟に対処しつつ、いつも朗らかで柔らかな笑顔の似合う、どんな相手にも態度を変えずに平らに接する人でした。温かさと優しさをいつも周囲にたたえる、まさに、わたしにとっては木漏れ日のような人、柔らかなあたたかさを優しく放ってくれる人でした。
またもう一人、レジリエンス力を発揮して見事復活を成し遂げた人物がいます。高3の時の全落ちから一年後に全志望校合格を成し遂げた、わが息子です。あとから振り返り、「全落ちした時の体験、あのどん底を知ったから今がある。受験して本当に良かった。」と語った息子の言葉の力強さと晴れ晴れとした表情が、今でも深く心に響き、目に焼き付いています。
さてここからは、この章で触れたことを踏まえつつ、さっそく息子の育ちや体験について具体的に述べていきたいと思います。
ここまでが原稿となります。 ⇑
なお、息子の名前の公開について
息子本人から許可はもらっているのですが
本の出版時に出したいと思い
このシリーズではあえて伏せさせていただきます。
ここまでお読みいただき
本当にありがとうございました✨
個別相談もお受けしています。
最初のご相談に料金は発生しません。
まだまだ始まったばかりの
個別サポートで手探りではありますが
毎回、自分の問題とも重ね合わせて
自分ごとと感じてお話しを
聴かせていただいています。
もしまさに今お子様のことや
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ここまでお読みいただき
本当にありがとうございました💗
未来を生きる子どもたちの笑顔をパワーに
今後もわたしなりの歩みを進めていきます🍀
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