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ドラマ『流星の絆』|東野圭吾/宮藤官九郎/二宮和也
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原作小説を読んだ時の衝撃と感動。
それは確かに存在した。
それゆえに映像化された作品を観ることはなかった。犯人もトリックも起承転結も知っているから。
それなのに、なぜ観てしまったのか。
Netflixのサムネイルに目が止まったからなんとなく。
ただそれだけのこと。
そして、観始めたら止まらなかった。
面白すぎて一気見。
犯人もトリックも起承転結も知ってるはずなのに。
映像化された作品は、原作と同じ顔だが違う表情をしていた。
原作を映像化する際の答えは無数に存在するだろう。
それは、原作に対する敬意や愛情の形もまた、無数に存在するということでもある。
原作を忠実に再現するのも一つの答え。
原作のエッセンスを抽出し、映像ならではの表現方法で再構築するのも一つの答え。
どちらが正解で、どちらが不正解なんて、そんなことはどうでもいい。
原作に対する愛があるかどうか。そして、映像表現に対する情熱があるかどうか。とか。
映像化(舞台化)の迷宮は、深くて、広くて、そして、面白い。
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谷口賢志
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