音楽で遊ぶ必要性
遊び
「遊び」とは何でしょうか? ホイジンガの定義によると
自由な行動
利害関係がない
完結し限定されること
秩序があること
非日常であること
の5つが必要です。音楽は5つすべてを満たしています。つまり最高の「遊び」が音楽なのです。これは誰もが納得するでしょう。
遊びがなくなっている社会
なのにも関わらず、音楽を使って「競争」だけが行われているのが現代社会です。
自分の持っている楽器をInstagramでひけらかす行為、上手に弾けた演奏をネットにアップして視聴回数やイイネの数を競う行為、コンテストの数々に至るまで、「遊び」の概念が消えています。
これでは車やゴルフクラブや時計を見せびらかして比較して喜ぶ低俗な人間と変わりません。
仕事にしたら遊びじゃない?
「仕事にしたら遊びじゃなくなる」と考える音楽家が出てきそうです。上記条件のうち、利害関係が生まれ、日常になるからです。しかし、この利害関係というのは誰かが得をして誰かが損をするという意味ですので、金銭交換により価値を均等に保つことは利害関係とは言いません。自分にとっては日常でも、他人にとって非日常であれば十分に非日常の要素があると考えるのは飛躍し過ぎでしょうか。
遊び場を作る
私は上記5条件を参考に「遊び場」を作って仕事としたことがあります。
2019年にトータル・ギター・メソッドⓇというエレキギターの総合教則メソッドを作りました。これ自体は真面目な教材なのですが、オプションで遊び場を作りました。それがフェイスブック・レッスンです。
自由に演奏できます。
利用者同士は何の利害関係もありませんし、年齢も顔も分かりません
毎日10秒限定の演奏と、私のコメントで完結します。
非常に厳しい規則を設けています。
非日常を楽しんでいます。
具体的には毎朝9時に課題を提示し、24時間以内に10秒限定で演奏を投稿して頂きます。翌朝9時以降に私が全員の演奏を添削します。毎日音楽理論を1項目学習し、文学、絵画、音響などのワンポイントレッスンを行います。24時間いつでも質問できるシステムにしています。
これを2017年にホイジンガの『ホモ・ルーデンス』を読んで思い付き、2019年に完成し、現在も稼働しています。(ギターを弾いておられる方はどうぞご利用くださいませ)
言いたいこと
言いたいことは教材を買ってくださいということじゃありません。「ちゃんと音楽で遊んでください」ということです。
ホイジンガを読めば恐らく遊べるようになると思います。
どうか競争だけの音楽社会から抜け出してください。
ちなみに
思考、資産、時間この3つを三位一体とすれば音楽人生は勝ちです。
それを1年かけてまとめました。