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音楽家がバルトークから学ぶこと5選!
はじめに
音楽史というのは「史実を正確に学ぶ」ことが目的ではありません。史実とされていることを受けて自分の音楽人生にどのように反映させるかが大切です。私達藝大生は複数の歴史書を暗記していますが、有名歴史書同士でそう反する内容もあるものです。ここを議論する人達は歴史好きであり、私達音楽家が議論する相手ではありません。
音楽家の皆さん、歴史をご自身の音楽人生に取り入れてください。
以下は拙著からの抜粋です。この記事が気に入って頂けましたら是非本書を手に取ってお読み頂けますと嬉しいです。最下段にリンクをご用意します
今回は私が世界一好きなバルトークです。
バルトークから学ぶことの一つ目は「民族音楽収集」です。
私が個人的に最も好きな作曲家のバルトークです。二回の世界大戦に阻まれながらの、民族音楽収集への執念は凄まじいものです。「ここまでやるものなんだ」と誰もが思い知らされます。是非《弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽》を聴いてください。インターネットで調べればなんでも出て来る時代にいる私達現代の音楽家がいかに甘えているかがわかります。私達は恵まれている環境を音楽家として大いに利用すべきでしょう。
バルトークから学ぶことの二つ目は「ピアノ教材」です。
超初心者からでも上達できるように、1〜2分の曲を150曲ほど寄せ集めにして体系化したものすごい教材が《ミクロコスモス》です。個人的にも音楽教育家として、このような体系化に憧れて数多く模倣した教材を制作しました。この教材で特筆すべきなのは自分の確立した音楽語法を余すところなく注入している部分です。つまり、この《ミクロコスモス》で練習したらバル
トークの分身が出来上がるというイメージです。小分けにして体系化し、その中に自身の音楽人生を投影させて後進に伝える手段とする ・・・・・・ このような教材を残したいものです。
バルトークから学ぶことの三つ目は「弦楽四重奏曲」です。
弦楽四重奏曲とはヴァイオリン二本、ヴィオラ、チェロの編成の曲です。この弦楽四重奏曲の歴史を強引に一言で説明すると「ハイドンが作り、ベートーヴェンが完成させて、バルトークが復活させた」となります。ハイドンとベートーヴェンは1800年前後で、バルトークは1900年代です。100年近く歴史に残る弦楽四重奏曲が出てこなかった ・・・・・・ 100年ぶりの傑作と言えるのがバルトークの弦楽四重奏曲です。人生の転機が訪れる度に弦楽四重奏曲を書き、生涯に六つの弦楽四重奏曲を残しています。個人的には無人島に一曲だけ持って行くなら《弦楽四重奏曲第四番》を持って行きます。初学者が聴くと「何これ?」となると思いますが、100年ぶりの傑作とはどのようなものかを是非体験してください。
バルトークから学ぶことの四つ目は「数学」です。
バルトークを研究すると必ず「中心軸システム」「黄金比」「フィボナッチ数列」という用語が出てきます。バルトーク本人がこのように数学で考えていたのか、結果的に数学で解釈できるのかは意見が分かれるところですが、後に研究者の研究意欲を湧かせるような作品の残し方は、ロシア文学のドストエフスキーに似通っており、芸術家としての奥深さに感銘を受けます。私達も表面的な音楽家にならないように、あらゆる学問を取り入れたいものです。
バルトークから学ぶことの五つ目は「ファッショニスタ」です。
ファッショニスタ(オシャレ)の音楽家を私が三人挙げるとしたら、バルトーク、ペンデレツキ、ルトスワフスキになります。三人とも画像検索をするといかにオシャレかがわかります。ジャケットのラペル(襟)幅、生地の選び方、シャツや小物使いまで完璧です。流行に左右されない時代を超えたファッション・センスは参考にしたいものです。
まとめ
この記事が皆さんの音楽人生を変えるきっかけになれば嬉しいです。
こちらの本でこの記事の50倍以上を紹介していますので、是非お手に取って頂けると嬉しいです。
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