【2024/6/25】江戸文化体験ツアー中編【たばこ好き】
茶道を体験し、カフェインでバチっとキマった後は、都バスで浅草二丁目からとうきょうスカイツリー駅入口。
そこから5分ほど歩いて『たばこと塩の博物館』へ向かう。
『たばこと塩の博物館』というのは、JTが運営するたばこと塩を扱った博物館。
そうとしか言いようがない。
入り口には、たばこの王みたいな像がある。
ここへ来た目的は、企画展示。
『時代とあゆむ袋物商 たばこ入れからハンドバッグまで』。
江戸時代のたばこ入れが沢山展示されている。
17時閉館までの2時間弱で全部見きるのは難しいくらいの展示量。
入場料100円。(やっす)
雲助師匠曰く、仕草において正しさは重要じゃなくて、
「自分が頭の中で想像できていたら何でも良い」
とのこと。
自分が想像できないものを他人に伝えることはできないのだ。
ここで落語に出てくるたばこ周りの解像度を上げていく。
写真撮影可だったので、一部紹介。
当時、武士や町人に対して布地や染め色を指定する『奢侈禁止令(しゃしきんしれい)』てのが発令され、おしゃれは制限されていたんだって。
そんな時代だから「せめて小物だけでも」ってんで、色味は派手ではないけど職人の技が光るたばこ入れやなんかで個性を出そうとしたのだとか。
うん、分かる。
物が量産される時代じゃなく、職人が重宝される時代、小物はどれをとっても一点物って所がまずおしゃれ欲というか物欲を刺激する。
それで持ってお上にバレないようにするって所にも背徳感があっていい。
思い返せば学生時代、皆んな同じ学ランだけど、先生に怒られない範囲でインナーやベルトで個性出そうとしてたもんな。
寄席だと前座の格好とかもそう。
地味な着物しか着れない中、師匠方にバレない程度に帯の柄や半襟で個性を出そうとしている人もいた。
今も昔も変わらない。
奢侈禁止令なんて大規模な規制が行われれば、そりゃたばこ入れも隆盛を極める。
こちらは紙入れ。
よく「無地の主張のない手拭いが高座で使いやすい」なんて事を言うけど、
このぐらいデザインが凝っててもこれらの紙入れからは嫌な主張を感じないから、
やっぱり噺家の手拭いはデザイン性が低いのかもしれない。
落語でもお馴染み、花魁の使う『緋の長羅宇の煙管』。
花魁のきせるは長羅宇だけど、どうして長いのか考えた事もなかったが、
これは花魁の位が高くなればなるほど帯の幅が広くなるから、帯に挿すきせるもそれに合わせて長くなったんですって。
たばこと言えば黒門町。
たばこ入れ専用のからくりダンスも展示されていた。
落語好きならつい足を止めてしまうだろう。
しかしからくりダンス……ここまで来ると、流石に分からないかな。
何故からくりなんだ。
当時のたばこ屋の再現なんかもされている。
『國府』。
鹿児島県の国分地方の上質なたばこを扱っている。
落語をよく聴く方ならニヤリとするかも。
しかしこうしてみると、現代の文化は自由で便利で洗練されている反面、やっぱり面白みには欠ける。
当時の技術を残せとか昔に生まれたかったとは思わないけど、やっぱり電子タバコと煙管を比べると、味気ないというか粋じゃないというか──いや、これは未来に生きてるからそう思うのかな。
当時は当時で「たばこ入れのデザイン自由過ぎてもう個性の頭打ちだわ」みたいなつまらなさはあったかもしれない。
他にも常設展示として世界のたばこや近代のたばこなんかも。
たばこと塩の博物館なので塩の展示もあるよ。
盛りだくさん。
前編後編で収めるつもりだったのに中編になっちゃうくらい盛りだくさん。
そして改めて言うが、これで100円。
やっっっす。
ほぼボランティアやん。
ここでたばこに興味を持たせ、一人でも吸い始めれば元は取れるということだろうか。
ちなみにたばこ吸いの友人曰く、
「喫煙所だけでも100円の価値ある」
とのこと。
(後編へ続きます)