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サウナは前戯、主役は水風呂。

全国のサウナを巡って250以上の施設に訪問しました、てぃーがです。

ぼくはサウナが好きで「たくさんの施設を巡ってきたよ」と伝えたいのですが、"250"って言われてもいまいちピンとこないかもしれません。

例えばの話「ご飯屋さん250店舗分の感想教えて」と言われて、言える人ってそう多くないと思います。

外食ってみんなにとって身近なものだと思うのですが、それですら250って「えっと…」となりますよね。

そんな感覚の数です。

サウナーですということが伝われば大丈夫です👌

そんな前置きをして、僕が伝えたい内容がこちら。

水風呂の入り方、休憩の仕方わかりますか?

サウナが流行って、「サウナ→水風呂→外気浴のルーティンが気持ち良い」と、情報がたくさん出回るものの、それらの情報の多くは「サウナルーティンの中でどのような所作を取れば良いのか」についての言及はされていない印象です。

サウナに興味を持って、「サウナ→水風呂→外気浴」のルーティンは知っていて、いざその流れ通りに挑戦してみるものの、「サウナはアツすぎる」「水風呂が冷たくて入れない」「外気浴とは」「結局ととのうってどういうこと…」という方も多いのではないかと思っています。

中でも、水風呂や外気浴は、よくわからない方も多いと思いますし、実際所作を知らないとなかなかトランスに至るまでの道のりは長いと思っています。


サウナは前戯、水風呂が本番。


「水風呂なんて冷たすぎて無理」という方にとっては謎のフレーズとなるこちらを掲げ、今回は、水風呂の入り方・外気浴/休憩の仕方を中心に、サウナのルーティンについて綴ってみます。

引用:サ道「サウナは前戯」


・サウナに興味はあるが、ととのったことはない
・水風呂が苦手で気持ちよさがわからない
・サウナは好きだが、普段なんとなくで入っていた

そんな方はぜひ読み進めてみてください✌️


まえがき

僕の周りにも「サウナでととのってみたいんだよね」という声もよく聞くのですが、「けど、ととのえたことはない」「ととのいがどういう状態なのかわからない」という声も同時によく聞きます。

では「ととのう」とは何かを説明します。めちゃくちゃ科学的に言うと、「サウナで膨張した血管が、水風呂で一気に冷めて細くなり、副交感神経が優位になる。そして、脳内で働く神経伝達物質"β-エンドルフィン"が出て、気分の高揚・幸福感が得られる状態」のことを指します。

脳がどうとか、なんのことを言っているかよくわからないと思います。そして、この「ととのう」の状態を例える言葉も「まるで宇宙みたい」のような急に異世界のような話になってしまうのが、サウナーが変人と呼ばれる所以かなと思っています。

引用:サ道「宇宙や!無重力!」

サウナの魅力を伝える難しいところは、「幸福感・恍惚感」というような目に見えない体験であるがゆえに、言語化が難しいところにあると思っています。

ととのうとは何か、を体験するには、結論「ととのいやすい環境で、手っ取り早く自身で感覚を掴んでもらう」ほかありません。

「そのととのい方がわからないんじゃ〜」と聞こえます。
それでは本題です👇


サウナに入る前から、ととのうかどうかは決まっている?

実はサウナ室に入る前の準備が、意外と大事だったりします。

1:まずは身体を洗って清める。

2:そして湯船に浸かってあたたまる。身体の毛穴が広がり、サウナでの発汗をより促すことができます。(ちなみにサウナー用語で、事前に身体を湯船であたためる行為を「下茹で」と言います)

3:ある程度あたたまったら、次に一瞬だけ水風呂に肩までジャボンと浸かって、すぐに出ます。できたら頭にも水被ります。

これは身体の表面温度だけを下げることで、サウナ室で滞在時間を長くし、深部体温をより高めるためです。(サウナー用語で、この行為を「水通し」と言います)

ポイントは水風呂へ一気に入り、出たらすぐに身体の水をタオルで拭くこと。水のせいで体温が奪われてしまうことを防ぐだけでなく、汗をしっかりかくことを促します。


え?サウナ室って、座っているだけじゃダメなの?

まずは、サウナ室のどこに座るかが重要です。施設の作りなどにもよりますが、下段と上段は10度も違うと言われています。

実際、頭よりも圧倒的に足の方があたたまりにくいのはそのためです。(サウナであぐらをかく方がいますが、足をあたためるため。という人が多いと思います)

「そもそもサウナに入るのが苦手」という方は、個人的にこんな感じ🔻で入るといいと思っています。

「下段に座る→おそらく最初1-2分はあつい→3-4分するとちょっと慣れる→5-6分するとまたキツくなる→限界ギリギリの最後の最後で最上段で+1分頑張る」

アツいのが苦手な方が、いきなり上段から座ると、深部体温があたたまりきる前に身体が限界を迎えてしまうこともあるんじゃないかと思っています。

なので、下段で無理ない範囲で身体をあたためてから、最上段で追い込むのが良いかなと思います。(水風呂と同じで最初はアツさがぐわっとくるかもですが、数分すると落ち着くかなと思います)

ととのうための、セルフロウリュウのタイミングややり方などもありますが、それはここでは割愛します。


かけ水は邪道、かけ湯こそ正義

サウナ室から出たあと、いきなり水風呂…ではなく、汗を流します。注意書きも多いので、モラルとして知っている方も多いと思います。

1点ここで注意が、汗を「水」で流さないこと。水で流すと、水風呂入浴時の快感が損なわれると言われています。

というわけで、シンプルなのですが、汗は「お湯」で流しましょう。

「水風呂入浴前の汗流しが冷たくてツラい🥲」という方にとっては朗報なんじゃないかと思います。

サウナ界のディズニーランドと呼ばれる「かるまる」や、露天バイブラ浮遊不感風呂を実施する「ベッド&スパ」を手がける「サウナ王」もこの入り方を推奨しているので、間違いないと思っています。


水風呂が冷たくなくなる?天使の羽衣の正体とは

サウナ室であたたまり、汗をかけ湯で流し、いざ水風呂。

水風呂は「こんな冷たいの、入れない!」「ちょっと入れても全身浸かるとか無理」という方も多いと思います。

水風呂の心得は2つほどあります。

1つは、水風呂に入った瞬間の冷たさは、正直ちょっと慣れみたいなのが必要だと思っています。

ビールやコーヒーを初めて飲んだ時から「美味しい」と感じずに、徐々に美味しく飲めるようになるのと同じようなもんと解釈ください。

そして2つめは、身体がちゃんと温まった状態であれば、20-30秒くらいで、冷たさが消えることです。

これはいわゆる「天使の羽衣」「温度の羽衣」と呼ばれるもので、水と身体の温度差によって身体に膜ができることによって、冷たさを感じなくなるものです。

引用:サ道「温度の羽衣」

なので、「そろりそろりと浸かる行為」は、イコール動いてしまって羽衣ができない状態のため、「ジャボンと入ってじっとして羽衣を作る」よりも冷たく感じる時間が、実は長いのです。


ちなみに、この羽衣は耐久力が全くないです。一緒に浸かっている人が動いたり、新しく誰かが入ってきたらすぐに壊れてしまいます。

壊れる羽衣

「かけ水が異常に冷たく感じる」、「そろりそろりと水風呂に入っても冷たくて入れない」という方が多いのは、この天使の羽衣がない分冷たく感じる、というカラクリです。


サウナ室はあぐら。水風呂はV字バランス?

水風呂に浸かり、羽衣も習得したあなたにぜひ伝えたいのが、長居するための水風呂での体勢についてです。

水風呂で「どれくらい浸かってられるか?」が今後のととのいに大きく影響してくるので個人的には重要なトピックです。その答えが「V字バランス」。

水風呂に浸かっていると、どこから冷えてくるか?
答えはつま先からです。「手先・足先」から冷えてきます。

そうすると、「手先・足先は冷えているが、身体の中心はまだ冷え足りない」という状態になりがちです。

というわけで、僕なりの解は「V字体勢を取りながら浸かる」です。

手先もも足先も水風呂からは出す


ぼちぼち水風呂が深くて、この体勢で足を出せない場合は、浴槽の縁に足をかけたりしています。(もちろんマナーが最優先です)

また、人がいなかったり、頭をつけてもOKな施設であれば、プカプカ浮くのがオススメです。

頭を冷ました方が、覚醒します。冷まして、覚める。グッとととのいに近づきます。

浮いてるの図


呼吸に全集中。塩素には注意

水風呂での体勢がキマったら、今度は呼吸を意識します。大きく吸って、大きく吐く。呼吸の自律神経は、吸う時に交感神経が働き、吐く時に副交感神経が働きます。

吐く時の呼吸に意識を集中させて、心臓の鼓動と血液の流れを感じる。

そうすることで、よりリラックス効果が高まります

ちなみに、塩素が強めの施設だと、水面近くで深呼吸するとむせるので要注意です。

10秒手首足首あたためチャレンジ

身体の中心も冷たさを感じてきたら、水風呂を出るころです。

ととのいを感じられる時間はかなり短いので、水風呂から出たら時間との勝負ですが、ちょっとした準備があります。

まずは他の部位よりはおそらく冷しきれなかった、頭を水をかぶって冷やしましょう。

次に、反対に身体の芯より冷えてしまっている手先足先を少しだけ温めてあげます。手首足首だけ浸けて、浴槽内でジャブジャブジャブ。だいたい10秒くらい。

時間との戦い。導線の予習は?

これは先に伝えておくべきだったんですが、10秒手首足首チャレンジを行ったあと、すぐに休憩処に向かうべきです。

しかし、水風呂入った後こういうなってませんか?

「休憩処どこだ?」

休憩は時間との戦い。迷ってたらととのいタイムが秒で終了します。先に確認しておきましょう。

ただ、1set目は、下見してない方が「ここか?」「こっちはなんだ?」みたいな逆に「ダンジョン探索的なワクワク感」の要素があるので、これはこれで面白い。

ととのいとワクワクのトレードオフ。お任せします。

座ると寝るじゃ、ライスとカレーライスくらい違う

休憩処には、いわゆるととのいチェアが置いてあったり、フルフラットチェア、寝そべれるゾーンがあったりなど、施設によってさまざまかと思います。

言いたいことは、水風呂後の休憩は「なるべく寝そべりましょう」。

仰向けになって目を瞑ることで、「水風呂での心臓ドクドクはまだ序盤だったか…」というのが理解できます。

引用:サ道「脳に大量の酸素が送り込まれると…」


休憩の三大栄養素、「風・音・匂い」

身体の水を拭き取り、寝そべって、目を閉じて、心臓の鼓動と血液の流れに意識を集中します。

身体の水を拭き取ることで、ダイレクトに感じられる外気浴の風、湯船に注ぐ水の音、鳥や動物の鳴き声の音。自然の香り…。


(ドックン…ドックン…)



引用:サ道「なんやこれー!☆☆☆☆☆☆


意識が少しずつ宙に浮いていき、なんだか全身をドクターフィッシュで突かれているような、シュワシュワした感覚が。(ドクターフィッシュ、やったことないけど..)

僕がサウナが好きになった当初、水風呂内での心臓の鼓動と、休憩中の鼓動の気持ちよさの違いがあまりわからなかったのですが、徐々に理解することができました。

休憩にも感じ方に段階があるんだな、ということを知りました。そしてこれを読んでいる皆さんにもそれをお伝えしたいです。

これが合法麻薬の正体だ

「休憩が大事だよ。」

その意味を理解するまでに、僕も時間がかかりました。

僕はサウナにハマったきっかけが少し特殊で、実はドライサウナではなく、スチーム塩サウナで肌がえぐスベスベになったことがキッカケでした。

最初はサウナだけ。いつしか水風呂にも入るように。
そして、先輩に「休憩してないの?」と言われ、休憩もしてみることに。

最初は「このじっとしてない時間、なんだろう?」となっていました。けれど、いつしか「何もしない」ということの偉大さ、大事さを知りました。

「おっちゃんが風呂で座ってじっとしているのは、そういうことだったのか」と。

元々は温浴施設として、身体を清めるための目的で利用していたサウナが、こうした感動を覚えて、いつしか"嗜好品"としての存在と同じようになりました。

昨今は「第三次サウナブーム」なんて呼ばれ、2021年には「ととのう」が流行語にもノミネートされました。

そんな中、あまり興味がない方からすると、サウナという界隈は、なんだか身内感が強く、「何がととのうだ」のような見え方になってしまっているんじゃないかなと思っています。

スポーツでもないし、プロとかアマとかもないし。ただ、嗜好品と書いたように、お酒やシーシャと同様、万人にとっての娯楽だと思っています。

この「ととのう」という体験が、感覚が、より色んな人が感じられることで、身内感のような垣根も消えて、輪が広がっていくのかなと思っています。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

「水風呂が苦手だよ」「ととのうの感覚がわからない」という方にとって、この記事が参考になれば、幸いです。🧖

水風呂が本番とお伝えしたように、「良い水があるところには、良いサウナがある」なんて言葉もあったりします。

サウナに通ったことなかった、という方からすると、「サウナのために遠征もするってすごいな…」という見え方になると思いますが、感覚としては、北海道に海鮮を食べにいくとか、香川にうどんを食べにいくとか、旅行をしてふだんよりも美味しいご当地グルメを堪能する、のような感覚と近いと思っています。

旅にグルメに加えてサウナって目的と楽しみが増えた方が、より充実するしね。ととのうを知ると、施設によってととのう感覚がおもしろいという人も増えてきます。

ただ、「ととのう」に囚われすぎると…また別の沼にハマるのですが、それはまた別の機会に。

引用:サ道「サウナを信じるな」


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