もののけ姫のあの森を3倍に希釈してください

この小学校にはバドミントン部だけあり、あまり興味がないまま入部しました。ほとんどの生徒が入っていたからです。試合は楽しかったですが、基礎練習である、山道を走ることや反復練習は嫌でした。きついからです。試合がある時は山を下るのですが、駅やコンビニ、他校の生徒等の文明に触れられるので大会は好きでした。チキン南蛮弁当(ほか弁のやつ)とポカリスエット、普段食べることができないものが大会では許されます。極楽です。

バドミントンのラケットも安いものから高いものまでたくさんあります。見た目と重さが違うだけなのに何倍も値段が違うことに驚いた最初の体験だったと思います。ブランドという概念を獲得しました。この部活は中学の1年まですることになります。

この学校では年1回、持久走大会が行われます。そのコースは苔がむし、杉が無限に植えられている山です。湿度も110%はあったでしょう。もののけ姫のあの森を3倍に希釈してください。それです。1,2年生の回、3,4年生の回、5,6年生の回となっており、金メダルは全校で3人に渡されます。1年生の時に坂道で転び、ビリでゴールしたことを覚えています。それでも心臓は割れそうに鳴り、体は抱えきれない熱に驚いています。とても悔しかったです。あれだけ嫌いだった練習をしたんでしょう、その"しつこさ"で2年時に1位になり、以降は3位以内に入り続けました。アイデンティティの獲得です。ここで生まれたしつこさには今までずっとお世話になってます。もののけ姫に感謝です。

ありがとうございました。



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