面白いけどかなり考えさせられた本②【14歳からの哲学入門】
先日は
の本の中で
P295 【資本主義社会はすでに生産時代を終えて消費社会に移っており、しかも記号を消費する時代になったから破綻しないのだ。】そのうちの【記号を消費】という意味についての前半を書かせていただきました。
その後も考えさせられる文がありました
ではこういう反論は?
P310「いやいや、人間はそんなにばかじゃないよ。 いつかそういう経済活動(記号生産)に嫌気がさした人たちが現れて この社会のあり方を変えようとするんじゃないかな? 実際いままでの歴史だってそうやって進展してきたじゃないか」なるほど 希望の有るポジティブな反論だ
・つまり 「でも、そのうち革命でもおきるんじゃね?」 という意見である
ボードリヤールはそういった反社会的活動を行う人々についても言及しているが、残念ながら そうした人々が社会を変える可能性はまったくないと断言する。「反社会的活動も、いまや記号消費社会システムにおいて消費される記号の1つになってしまった。 つまり、それらの活動は、システムを存続させるための部品に過ぎずもはやシステムを変える力を持たないのである」
P312「政府とか、権力に逆らうオレかっこいい! 他のやつらとか違って特別だ! 良識があって、かつ行動力のあるすごい人間なんだ!いやっほー」というのも記号だと
哲学は死んだ!?
P315 ところで、極端な人の話ばかりを例にだしたので、自分には関係ないと思った人もいるかもしれない。「自分はブランド品なんて買わないし、反社会的活動にも参加していない。だから、記号を求めて走り回っていないし、記号消費社会におどらされてなんかいないよ」と。
いやいや、そうではない。ボードリヤールの哲学に従うなら、そういう人は社会に存在しない。 社会の内部に生きて言う梨状、いわゆる普通の人でも実は手の内。記号消費社会に踊らされているのだ。
きっとそういう人にはこんなチラシが配られているだろう「ブランド品に興味のないバランス感覚のある賢いあなた。あなたには見る目があります。そんなあなた向けのリーズナブルな商品はこちらになります。」
「普通の生活で満足だというマトモなあなた。明日をもしれぬ人生を送るなんて恐ろしいですよね。そんなあなたには「正社員」というオトクな商品をおすすめします。やりたくもない、ロボットでも出来るような仕事を、人生の8割くらい費やして延々とやりましょう。スケジュールに追われて、おそらく使わないであろう新機能満載のの商品を頑張って作りましょう。まずは、その第一歩として、目指せ「大卒」! 大学に入るための参考書、塾はこちらになりまーす!」
P317 何を言おうと、何をしようと、全部だめ。 こんなふうに「はい、それも記号です あなたは記号に囚われています」の一言
・とてもずるい説といえる。
仕事の価値
P337 僕たちがやっている仕事の全てに高い価値があるわけではない。
(昔)生活に必要なものを作りたい>仕事をする
(今)とにかくお金をぐるぐる回したい>仕事をする
これが今の仕事の位置づけである以上、究極的には仕事は「穴掘り」でも良いことになる。
実際 あなたがその仕事を「やりたい」と思っていればよい。だとしたらそれは幸運だ。どんどん仕事をすれば良い、だが、そうではなく、その仕事をすることに一切の喜びもなく、まさに「仕事だから」その仕事をやっているのであれば、どう自分をごまかそうと、それはあなたにとって「穴掘り(社会を維持するために強制的にやらされている「公共」事業)である」
もしも、心当たりがある人がいたらこう問いかけたい。「あなたは、本当にそれをするために行きてきたのですか?たった一度しかない貴重な人生、その大半をそれについやしてしまって本当に満足ですか?」
P353「労働には価値があり、人間は働いて当たり前」という常識が崩壊したとき、僕たちはその崩壊をどうのりこえるべきなのか?最大限の暇(大いなる暇)が得られたとして、僕たちはその暇をどう活用してどのように幸福に行きていけば良いのか?
たしかに昨今 CHAT GPTや類似の技術で何が出来るかがマスコミでも流れていますが 仕事がなくなった際 または 仕事が少なくなり 余暇が増えたときの対応というのも考えておかなくてはなりませんね。
今日はここまで
なかなかの理屈ですが、わからんでもないです。面白いけど疲れた本でした。今日はここまで