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支持基底面だけに注目して運動を見てみよう

運動を見るときには、色々な視点がある。

筋力だったり、関節可動域だったり、バランスだったり、速さだったり、色々ある。

だから運動を見るのは難しい。どこがポイントなのか絞りづらい。バイオメカニクスは、どういう仕組みで物理的にそれが可能になっているのか、を考える学問あので、ポイントを絞りやすくしてくれる。

座位からの立ち上がりを考えてみたい。

椅子に座っているとき、支持基底面は、座面と足底を囲った範囲にある。
結構広い。
椅子の背もたれを使わずに座ってみよう。
運動としては、支持基底面の範囲内で重心を動かすことが可能なので、座位はとても安定している。

この広い支持基底面が狭い支持基底面に変化する瞬間がある。それは、立ち上がる際の離殿の瞬間だ。(離殿とはお尻が座面から離れること。)

その瞬間、広かった支持基底面は突然足底の範囲内になる。両足を揃えてたつとすれば、30センチ四方よりも小さい面が支持基底面になるということだ。

つまり、立ち上がり動作というのは、広い支持基底面から狭い支持基底面への重心移動、という側面を持つ。(さらに言えば、その際に重心の高さも大きく変わる。高い方が不安定なので、安定から不安定への勾配はさらにキツいイメージになるということだ。)

そう考えると、安定した座位からの立ち上がりというのは、この支持基底面の変化にどう身体をコントロールして対応するか、ということに注目すべきだということがわかる。

座位から、しっかり体幹を倒して立ち上がるといい、とよく言われるのは、このためだ。

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身体や運動を指導・仕事にする皆さんの誰かが持つ疑問は、皆さんも必ずどこかで出会う・出会ったことのある疑問なのではないでしょうか。週に一度は身体について考える、それを実践につなげていく、そういう場になると思っています。

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