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Z世代に伝えたい、優しい世界の作り方(3章)②

翌朝起きたら、シェフが都市部に行きたいという話を聞いた。
「シェフ、都市部に行くんだね、今までありがとう。君のご飯はいつも美味しかったよ」
「都市部に来ることがあったら、訪ねてくれよ」
「じゃあ、健康に気をつけてね」
シェフが行ってしまった。でも誰かしら料理ができるだろう。
いつものように魚を捕まえてくると、魚を焼久野に挑戦してみた。
「なんだよ、まる焦げじゃないか」
と隼人が叫んだ。
「おまえの火が強すぎなんだよ」
シェフがいなくなったことで、食べ物がたべられるかみんな不安だったのだろう。この日はいつもケンカしない僕たちが、気持ちをぶつけていた。
「ごめん怒ってしまって、次はきっとうまくいくよ」
僕は隼人に謝った。
「俺のほうこそごめん、黒くても食べられるさ」
隼人も分かってくれたみたいだ。
電気のない暮らしはもちろんテレビもゲームもない。だから食べることだけが楽しみなんだ。美味しいご飯が食べられるのは当たり前のことではなくて、幸せなことだと感じた夜だった。


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