- 運営しているクリエイター
記事一覧
【小説】トワイライト Chapter.3
「あれ?」
女は声を発する。そこは昼過ぎで昨日いた橋の上だ。
目の前には男がいる。
「ん?」
「あの、さっきまで私達公園にいませんでした?」
「ああ、いたよ。」
「それから…どうなって…あれ?」
女が困惑する中、男はタバコを咥え火をつける。
「いつもこうだよ。」
「え?」
「昼の15時位から夜の20時位までは俺も覚えているんだ。だがそれ以外の時間帯は記憶が無い。」
「毎日こんな感じですか?」
「
【小説】トワイライト Chapter.1
男は今も橋の上にいる。
そこは中野駅から北上し、野方の方にある。
男は自動販売機で缶コーヒーを買うが、温い。
軽く舌打ちをしてプルタブを立てた。カシュっと軽い音を立てて口にする。
いつもの味だ。橋の中腹の手すりに背中から寄りかかるようにして、コーヒーを飲んだ。
遠くから学生の声がする。もう下校時間なのか。
空はオレンジに染まり、夜を迎えようとしていた。
集団下校の高校生の男女4人が男の眼