まりさんのこたえ:「大人になる」ってどういうこと?(リレ哲)
私は、ソジテツのワークショップで「大人になるってどういうこと」カードがあると、かなりの確率でこのおとなるカード(以下、このカードとする)を選んでいる。非常に気になるテーマなのだ。
今回は私の「おとなるカードが気になって仕方がない件」について考えてみたいと思う。
「大人になる」を理解しようとまず「大人」を検索してみた。その時ふと「成人」という言葉が目に飛び込んできた。
もしも「成人ですか?」と問われたら、「はい、私は成人です」と答えるし、なんなら
「○回目の成人式迎えました!」くらいの軽口を叩くくらい気持ちに余裕まである。
でも「あなたは大人ですか?」と問われたら
「は、はい… ふつつか者ですが… 一応 大人… です。はい〜」と一気にトーンダウンすることに気がついた。なんだこの差は?
大人(おとな)という言葉のどこに私は反応しているのだろう?と考えていたら、数10年前のあるやり取りを思い出した。
新しい職場に入職して数か月経った時のことである。内部でちょっとした対立が起きた。私も意見を求められたのだが、とっさに
「いやぁ、私、まだこどもだから よくわからないです」と口からついて出た。すると、
「いえ、充分に大人ですから!」と間髪入れず突っ込まれたことがあった。
突っ込まれた時、言った本人が一番驚いた。
もしも、逃げ隠れしようと思うなら、もう少し気の利いた言葉もあるだろうに、とっさに出てきたのがこれである。心の中で思わず笑ってしまった。
改めてこのエピソードを振り返ると、あの時の私の反応は、まさしく「こども」であり「ふつつか者」だった。
「ふつつか者」とは、気のきかない人。行きとどかない者、とある。(出典:デジタル大辞泉)
いくら経緯や背景、人間関係がわからないとはいえ、大人だったらもう少し気の利いた配慮あるコメントができただろう。
そう、あのような局面でも落ち着いて、相手をおもんばかりつつ、偏らず、おもねらず対応ができるのが私の憧れる大人なのかもしれない。
あれから数十年経った今の自分は、そういう大人になれたのだろうか…?
今回は私の「おとなるカードが気になって仕方がない件」について考えてみた。
私が、おとなるカードが気になって仕方ないのは、きっと幾つになっても自分の中に、おとなとこどもがいて、そのおとなとこどもの間を行ったり来たりしている。そんな自分に対して、いい加減大人にならないといけないかな…、と思う気持ちがあるからかもしれない。
あるいは、つい面白くなると、時と場合を間違えてこどもの私がヒョッコリと顔を出す反省からかもしれない。
ただ、私が憧れる大人にはなれないけど、おとなとこどもを行ったり来たりする自分によしをあげよう!と思えるようになった。
ちょっと大人になったような気分である。
(まりさん)
◆ステータス:プラクティショナー
「止まり木ファシリテーター」
◆プロフィール:
「働く」をキーワードに、産業・医療・福祉・教育の分野でカウンセラー(臨床心理士/公認心理師)として働いてきました。「働くことは生きることに繋がる」をモットーに、個人、集団、組織を支援させて頂いています。「半径2メートルの安心」をいかに提供できるか。これからも自分の在り方を模索してきたいと思っています。
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【ピョエ坊(ソジテツ広報)より】
ある問いに対する自分のことばをリレー形式で書いてもらうリレ哲。次回のバトン走者は、募集中。どんな「自分自身のことば」を紡いでくださるか、楽しみです。
ソジテツは、ふつう・当たり前や、一般論、世間的な正しさではなく、ひとりひとりの中にある様々な「自分の考え・体験・価値観」を表現することを、大事にしています。こたえはきっと百人百様だと思いますが、それが素敵なことなんです。
これをご覧のみなさんも、良ければ「自分の考え・体験・価値観」で考えてみてくださいね。
【月別テーマ予定】
10月:年齢、年代
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