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プロジェクトをダメにする「責任のあいまいさ」

「この仕事、誰がやるんだっけ?」
プロジェクトの中でこんな会話が飛び交うようになったら、要注意です。適切な役割分担ができていないと、プロジェクト全体が停滞する可能性があります。


責任の所在が不明確になると…

役割が曖昧な状態では、次のような問題が起きることがあります。

  • 同じタスクを複数人が担当して、余計な手間が発生する

  • 逆に、誰も担当していないタスクが放置される

  • メンバー間で「〇〇さんがやるはずだったよね?」と責任の押し付け合いが起きる

この結果、効率が悪くなるだけでなく、プロジェクトの士気や信頼感も低下します。


適材適所の分担がもたらす効果

組織行動学や社会心理学の視点では、適切な役割分担は「集団のパフォーマンスを最大化する鍵」とされています。
それぞれのメンバーが得意分野を活かせる役割を持つことで、以下のようなメリットがあります。

  • 作業の重複や見落としがなくなる

  • 各メンバーが自分の責任を明確に認識しやすい

  • チーム全体の連携がスムーズになる

ポイントは、単に仕事を振り分けるだけでなく、「この人なら、この役割を果たせる」という視点で適材適所を考えることです。


育成の視点を忘れない

しかし、適材適所だけを重視すると、若手や経験の浅いメンバーに成長の機会を与えられない場合があります。これでは、プロジェクトや組織全体の長期的な成長が妨げられてしまう恐れがあります。
そこで重要なのが、新しい分野に挑戦させながら、適切なサポートを提供することです。

  • 若手には、チャレンジングなタスクを経験させる

  • 必要な知識やスキルを補完できる「メンター」的なサポート役を配置する

  • 振り返りの場を設け、経験を学びに変える

育成と適材適所を両立させることで、個人の成長とプロジェクトの成功を同時に実現できます。


具体的にどうすればいいの?

では、適切な役割分担を実現するために、どんなステップを踏むと良いのでしょうか?

  1. タスクを洗い出す
    プロジェクトに必要なタスクをリストアップし、具体的な内容やスキル要件を明確にします。

  2. メンバーのスキルや特性を把握する
    チームメンバーそれぞれの強みや経験を確認し、タスクに適した人材を見極めます。

  3. 責任範囲を明確にする
    誰がどのタスクを担当するのか、各タスクのゴールと責任の範囲をはっきりさせましょう。

  4. 進捗管理とフィードバック
    役割分担後も定期的に進捗を確認し、必要に応じて役割を調整する柔軟性を持ちます。

ここで注意しておきたい点は、あらかじめメンバーの責任範囲の大枠を決めておくことです。これを実現するために、プロジェクト立ち上げの段階で体制図を作成し、全体の役割を明確にしておくことが重要です。これを怠ると、「できる人」に仕事が集中し、チーム全体のパフォーマンスの低下するだけでなく、その優秀な人材を疲弊させ、最悪の場合は離脱につながる恐れすらあるのです。
バランスよく責任範囲を決めたうえで、上記の流れに沿って、各タスクに最適な詳細な役割分担を決めていきます。


役割分担はプロジェクトの「ポジション表」

適切な役割分担は、プロジェクト成功のための「ポジション表」のようなものです。スポーツの試合で全員が同じ動きをしてしまうと、守るべき場所が手薄になったり、無駄な動きが増えたりしてチームの力が発揮できません。同様に、プロジェクトでも各メンバーが自分の役割を理解し、それぞれの強みを活かして動くことが重要です。明確なポジション表があれば、チーム全体の動きがスムーズになり、プロジェクトの成功率も高まるでしょう。
次のプロジェクトで誰が何をするかに迷いがあれば、まずは役割分担を見直してみてはどうでしょうか?それだけでプロジェクト成功の道筋が見えるようになるかもしれません!

最後まで読んでいただきありがとうございます。次回もお楽しみに!

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