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yossy1022
しとしと嫉妬【詩】
雨がしとしと。
しとしと。
僕はしとしとふる雨を見ている。
しとしと。
嫉妬。
頭の中の澄まし顔の僕がいう
「嫉妬というのはね。自分が完全ではないという事実に対する怒りなんだよ」
「自分にはない何かを見たとき、それが自分に足りていないことを理解する」
「それ自体に怒っているように見えて、本当はそれを持ってない自分に怒ってる」
「だから嫉妬は、ないものねだりの感情で、過去の自分に対する後悔と反省の念でもあるんだ」
うるせぇな。
僕は頭の中の澄まし顔の自分にバイバイして、しとしとふる雨をまた見上げた。
嫉妬。
嫉妬が完全じゃない自分への苛立ちだとしたら、それは希望じゃあないのか。
もっと良い自分でいたいという前向きな願望なんじゃないか。
だとしたら嫉妬は悪いのもではない。
しとしとふる雨のように、捉え方によっては素敵なものなのかもしれない。