国際学会参戦記ー最大の収穫はHasta mañana・・・ではなくて
スペイン・マドリードで開催された学会に参加してきた。楽しいことも厳しい体験もありました。でも総じて楽しい!なにより国際学会に参加する最大の意義を見いだせた!。
※このnoteは、かよさん執筆「国際学会でハイチューをもらうまでー学会現地参戦体験記」(https://note.com/kayonuli/n/n84cc146a81da)に刺激を受けて書いています。笑。
準備と現地入りまで
国際学会は7年ぶり2度目の参戦。ただ、前回は研究者でもなかったし、日本から近いアジアでの開催だったので半分興味本位で「行ってみました、発表してみました」というレベル。今回はガチ。
1.esim初体験
これまではポケットWiFiをレンタルして使っていたが、みなさんが感じている通り、スマホ以外にレンタル機材のバッテリーを心配しないといけない。PCはWiFiが飛んでるホテルと会場でしか使わない(会場の大学は、実は食堂などの共用スペースではWiFiが使えたが、セッションの会場となった各教室は使用不可。ひど・・・)。であればスマホにesimで十分。
自分はUbigiなるブランドを使用。選んだ理由は、誰かが学会行くのに使ったとnoteで書いてあった、ただそれだけ。2カ国行く予定があったので「EUROPE 3GB」30日有効を1300円で購入!安い
!7日間滞在で2GBほど使用。問題なく終了。
2.費用問題
日本とスペインの直行便は今秋復活らしく、今回は経由便を使うしかない。さらに自分は国内線区間もあるので、昨今のチケット代高騰は本当に頭が痛かった。国内線区間はかつて溜め込んだマイルを使ったほか、本当は最短で帰ってきたかったが1日滞在を伸ばすだけで航空運賃が10万円くらい安くなる曜日のマジックも体験。ホテルは学会事務局から斡旋された5つくらいのホテルのうち、最安値の部屋(5泊朝食付き計360€≒6万円ちょっと)をゲット。最終日のロンドン1泊分もかつてため込んだホテルのポイントを使いタダ(笑)。学会参加費は大学院の研究費(で出せるはず)。
参考までにエコノミークラスで検索すると最安値は12万円台。ただし北京乗り換えで往復とも20時間程度乗り継ぎ時間がある。バックパッカー時代ならこれで絶対行った。結局往復ともロンドン経由で日本と欧州の大手航空会社を使い、最安値の3〜4倍の金額を払った。
3.発表準備
・「音読さん」
スライドを見ながらフリーで話す。日本語ならできるが英語でするほど語学力はない。原稿をつくって読む。しかしネイティブに聞いてもらう時間も機会もない。そこで文章を登録するとさまざまなスピーカーの声で読み上げてくれる「音読さん」。もちろん有料だが、それほど高くない。欠点もあるが(省略)読みの練習にはもってこい。
学会前日
welcome party
立食パーティーに参加。この会もクロージングディナーもすべて参加費に含まれているので出ないと損。開始の午後7時に会場に行っても誰もいない😂。1人、2人と増え始め、なんとなくスタートしたのは40分後。良くいえばおおらか、悪くいえば時間にルーズだが、滞在中なんども体験する「Hasta mañana(アスタマニアーナ)=スペイン語で「また明日」→明日できることはきょうやらなくていい)の洗礼を受ける。確かに「明日間に合うな」に聞こえなくもない・・・
学会1日目
午前8時10分に会場の大学まで行くバスがホテルに来ることになっていたが「あしたまにあうな」なので当然こない😂。30分ほど遅れて出発し、9時すぎに到着。しかし学会自体は時間通り進行なので9時からのオープニングセレモニーは始まっているというオチ。
発表セッションは数が多いのでどれを見るか決めるのも一苦労。アブストラクト見ないと中身がわからないのだが、どこに載っているかわからん。バスで隣になったポーランド人の研究者に聞いても「俺も知らん。それがスペイン」と言われた(笑)。大会に入ってから一括ダウンロードできるようになっていたことに最終日に気付く。
ランチは学食。もちろん費用は含まれている。日本の学会は土日開催が多く学食が閉まっていることがほとんどなので、一工夫ほしい。ご飯系のプレートに肉や魚の選択。それなりにボリュームがあった。
夕方バスで送られホテルへ。夕食は世界のハンバーガー、M。自分は物価の物差しにするため現地のスーパーとMは行くようにしている。バーガー、ポテト、ドリンクで日本円2000円弱。円安を実感しながら発表の練習。
学会2日目
バスに乗りきれない人が出てタクシーで送られる始末。前出のポーランドの先生は「オレの国もおまえの国も泊まってる人数確認してバスを用意するだろう?」と苦笑。しかしもう慣れた(笑)。
特段変わったことなく・・・いや、あれだ。発表決まってるのにばっくれるやつが結構いて驚く。自分が行ったセッションだけでも3人くらいいた。全員同じ国籍(笑)。参加費払ってアブスト掲載されれば参加したも同然。最終日にcertificateを誰かにもらってきてくれれば完璧。でもそれでいいのか?発表して「何言ってんだコイツ」という反応を見るのが楽しいのに😅。
帰りのバスでデンマーク人の社会人院生と話が弾む。しかし超早口&情報が多い。聞き取るのが大変。名刺渡してSNSでつながったが、マジで英語もっとガンバロウ。
近所のスーパーで夕食に寿司ゲット。普通に魚を食べる国だからね。ネタはうまかった。シャリはどうにかしてほしい。
ホテルへ戻り発表練習。現地に来てから発表時間が20分ではなく、発表15分+質疑応答5分ということに気づき、Word1枚分削らないといけなくなった。大変である。
クロージングディナー
なぜ最終日の前夜にやるのか?前半で発表を終えた参加者は最終日来ない疑惑があるからか。パエリアがうまかった。
中盤、中国人の研究者が何人かテーブルに来た。「人見知りなのでお酒が入らないとしゃべりにこれない」らしい。オーラルをやった人もポスターセッションをやった人も、どちらもイギリスの大学院の留学中。いい発表で「すごいなあ」と思った。自分はいつか、ああなれるのだろうか。
フロアでダンスタイムが始まったのを契機にホテルへ戻って練習なり。
学会最終日
確かに人が少ない・・・。自分の発表にはそれなりに人がいてよかったが。
発表は大変だった。まず時間である。完璧にスムーズに話して15分で収まるかどうかということころ。案の定3分くらいオーバー。その分質疑応答が削られ1問だけ。あるだけよかったけれど。
内容自体は意外と好評価で、ドイツ人から「わかりやすくてよかった」と日本人先生経由で聞いたし、質問してくれた人も「論理的に組み立てられていてよかったよ」と言ってくれた。
台本を作って読む悲しい日本人としては、10分程度まで縮めた上でゆっくり話すのがよいのかと痛感。一方で10分、スライド10枚では本当にワンポイントに絞った内容しか話せない。難しい。日本語で発表するときのように台本なしでスライド見ながら臨機応変にやりたい。やはり英語力だな。
打ち上げ
日本人出席者3人でスペイン料理店に繰り出し打ち上げ。
学会はテーマが決まっているので、テーマに即した発表(つまりそれがタイムリーと考えられているもの)が多いのは当然だったが、2人の先生からは「介入研究の多さが目立ったね」。医学や心理系では行われている方法だが、私のジャンル(文系)でそれほど聞くことがない。参与観察よりもう一歩進んだやり方で時間も大変さもあるが、そこまでやらないと社会問題の解決に寄与できなくなっていると考える研究者が増えてきたのだろうか?
これこそが国際学会に参加する最大の意義だと思う。日本にいてはわからない、海の向こうの研究トレンドを感じることなのだ。
もちろん、英語もっと勉強する決意を新たにできたことも収穫。名刺を配りまくりたかったが、だーれもname cardを持っていないのが意外?というかあたりまえ?デジタル名刺なのか、そもそもそんなものすらいらないのか。ともあれ、ランチを誘って談笑し続けられるくらいにはなりたい。
来年の自分の進歩に期待しよう。来年の国際学会シーズンは順調なら博論にゴリゴリ取りかかっているころだが、「博論執筆の息抜きに学会に行くか」くらいの余裕を持ちたい。ガンバロウ。
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