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【一人カメラ旅】函館・津軽⑦DAY3-2

津軽半島を北上

新青森駅から北西に車にて移動。
青森にくることはあるやもしれないが、津軽半島北西を訪れることはこれで最後かもしれない。
かなり遠回りとなるが、後悔を残すこがないよう津軽半島を北上した。

目的地の髙山稲荷神社に到着。
五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様として江戸時代から信仰されていたとされる。朱色に連なる千本鳥居は圧巻だ。

千本鳥居
茅の輪くぐりと参道の階段

西津軽に向かう

髙山稲荷を後にして、西津軽方面を目指す。
海岸と国道101号とJR五能線が並走する。1時間半のドライブ。JR五能線の驫木駅(青森県深浦町にある五能線の無人の絶景駅)に到着。海岸沿いにある木造建築の駅舎は映画を観ているようだった。
それはドラマの始まりか、それとも終わりかなのか。

ダイヤを確認し到着を待つ。近くの道の駅「ふかうら かそせいか焼き村」で買った幕ノ内弁当を食べる。無人の駅舎で日本海の波の音を聞きながら幕ノ内弁当を食べる。押し寄せる旅情と非日常感。もう、ずっと電車が来なくて、このシーンが続いて欲しいとも思っている。電車が来たらが終わってしまうのではないかと怖くなっている。

驫木駅 駅舎
駅舎
能代方面
能代方面に出発 左に映り込むのは初老
驫木集落より撮影

初老に手紙を託される

五所川原方面、能代行の電車が駅に停車。

 初老が一人だけ降りてきた。初老も一人旅の様だ。内田康夫スタイルの恰好(ハット帽子)。撮影している僕をみて、撮り鉄の同志かと思われたようで、「いやぁ東京から6時間もかかったよ。」と気さくにお話いただいた。三日ぶりの日常会話が新鮮だった。

 初老が経営する金券ショップの6月の売上げの話、相続した不動産の固定資産税の話などなど。僕は僕の身の上話はしていない。ただ、東京在住なのに函館駅から南下したルートに関心を示された様だった。話の終わりが見えそうなタイミングで、初老が実はお願いがあるんだがと切り出された。

手紙を渡され、
「これを驫木郵便局のポストに投函してほしいんだ。驫木に着た証として驫木郵便局の消印が欲しいんだ。帰りの電車まで40分しかなく、集落の郵便局に行けそうにない。郵便局まで車に乗せてくれとはいわないから、ポスト投函だけお願いされてくれないか。」
僕:「勿論です。お預かりします。」と手紙を預かった。
初老は安堵したご様子。「電車がくるまで海でも眺めてるかな」と言って線路の上を歩いて海のほうへ向かっていった。
私は預かった手紙の宛先の住所が都内であることを確認した。そして、約束のとおり、驫木郵便局のポストに投函した。

初老の手紙について

後日、妻にこの話をしたのだが、「初老は自宅に帰るつもりはなく、遺書とか最後の手紙として自宅宛てに手紙を出したのではないか」と言われ。あの日は、そんな風には見えなかったが、今思うと、線路の上の歩いていった初老の後ろ姿は寂しそうにも見えた。経営している金券ショップ店名(後日、ネットで調べたが金券ショップとして有名なようだ。)を聞いたので、今度寄ってみようか。いやいやもし、最後の手紙を託されたのだとしたら、、、


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