古の同人の思い出
中学で同人を知って、オタク仲間とほぼ毎週のように大宮のコミケ(と呼んでいた同人誌即売会)に行っていた
その頃はまだ学生で自分のお小遣いの範囲でしか活動出来なかったので、本といえばコピー本
インターネットも普及してない、メールなんて知らない時代でオタクの連絡手段は文通だったので、便箋や封筒のレターセットなどもグッズとしてよく売られていた
便箋もイラストがメインで文を書くところなどほとんどない「同人便箋」で、その他グッズはカラーイラストをカラーコピーしてラミネート加工をして安全ピンを付けたラミバッジ等
それでもまだラミネート加工の機械が普及している時代でもなく(ホームセンター等には売っていたが)中学生が気軽に買えるようなものでもなかったので、オタク仲間の1人がお父さんが会社から借りてきてくれたというラミネート機械を使ってラミネート加工をしていた
しかしそれも頻繁に使えるわけでもなくラミネートのシートも必要になるので、何とかコストを削減すべく工夫をした結果「プラバンと透明のシールでラミネートもどきを作る」ということになった
透明のシールは図書館の本の表紙に貼るようなシート状のものでホームセンターで購入した
そしてプラバンは近所の模型屋で買った
そのプラバンと透明シールのラミネートもどきバッジをみんなで量産した
同人便箋も安い印刷会社で印刷してもらったりしたが、マイナージャンルで売れる見込みのないもの(でも作りたいもの)はコピーで便箋を作ったりした(※コピー機によっては赤とか青の単色コピーもあった)
高校に入ってからは漫研という部活で部室をフル活用して同人活動に勤しんだ
昔「プリントゴッコ」というシルクスクリーンの玩具的な家庭用印刷機が流行り、年賀状の時期にはプリントゴッコで印刷する家庭も多かったと思うが、我らオタクは年賀状の時期以外も一年中プリントゴッコが活躍した
普通の茶封筒にプリントゴッコでイラストをプリントし、部室の床一面に並べて乾かした
ところで、その当時の古のオタクたちは個人情報バリバリの時代で、ペーパーやら本の奥付には住所氏名を平然と書いていたのだが…
当時、イベントに出ても売上なんて毎回赤字の自分が大枚をはたいて人生で初めてのオフ本(オフセット印刷の本)を作ったとき、友達をゲストに呼びページを埋めて、表紙を二色刷りにした割になんの捻りもない構図のモッサリした本が出来上がった
ゲストに来てくれた友達に配り、知り合いにも配り、しかし大して売れなかったのでダンボールに入った在庫が20年以上も実家の押し入れにいまだに入っている
自分の個人情報どころかゲストに来てくれた友達全員個人情報丸出しなので、処分するにも困り途方に暮れている…