見出し画像

視覚化の重要性

毎晩毎晩、我が家では戦いが繰り広げられていました。

それは「寝るよ」「いやだ」戦争…。

最初は動画やゲームがやめられなかったために起こりました。
寝る直前まで動画やゲームをやるのは、目にも脳にも良くない!

…ということで我が家には「20時以降ちいさい画面禁止令」が出たのでした。

小さい画面とは、スマホやDSなどの電子機器のことです。
これは勿論大人もです。大人は子どもの見本でなければ。
しかし地味につらい。

(むしろ大人が破りがち)
(20時以降に私がツイートしてたら「コイツ…」って思っていい)


楽しいゲームや動画がやれない1時間が退屈で、21時になればすんなり寝てくれるだろうと思ったら、20時に動画やゲームをやめたあと、子どもたちはお絵描きやおままごとを始めるように。

結局、21時に「寝るよ」と声を掛けても「まだ遊びたいから嫌だ!」が始まります。

…どうしたら寝て欲しいタイミングで寝てくれるの、この人達。

遊びをやめたくない相手に「歯磨きをして」だの「パジャマに着替えて」だの「片付けをして」だの言っても、勿論言うことは聞いてもらえない。

説得に疲れた我々夫婦。
「じゃあもう知らない、お先に寝ます」と言って、ひとしきり寝る準備を済ませたら布団に入ります。

…そうするとさっきまで散々逆らっていたのが嘘のように

「仕上げ磨きしてぇ」
「おトイレ一緒に行ってぇ」
「寂しいから先に寝ないでぇ」

…と、慌てて行動を始める子どもたち。

「さっき何回もやってって言ったでしょ!
やだって言ってやらなかった人の言う事なんて聞かないよ!」

…と布団に立てこもる大人たち(これを、大人げないと言います)

子どもたちは騒ぎ出します。

夫は本当に布団に入ると、意地でも出てきません。

私は何だかんだ見放しきれません。

毎日起こるこの「寝るよ」「嫌だ」の争いを終わらせるには誰かが折れないといけない。そこは大人である自分が折れるべきと思っていました。

毎日毎日…仕方なく布団から這い出し、仕上げ磨きをして、パジャマに着替えるのを待って、トイレに付き添ってあげていました。

しかし先日、ホルモンバランスの崩れによる情緒不安定(完全なる自己都合)と物凄い眠気により、私は優しさを失いました。

どっかーん、もう、無理。
付き合いきれません。

もう、今日は断固として私は布団から出ない!!!と思って頭から布団を被り子どもたちの声をシャットアウト。

いつもなら出てきてくれるお母さんが出てこない。

子どもたちはパニックになりました。

姉は「私は何で言われた時に動けないだめな子なんだぁあああ」と自分を責めて泣き叫び暴れました。
妹は「お母さん起きて!」と枕を使って私を全力で殴り続けました。

それはそれは目も当てられない空間となりました。

そしてついに。
ボコボコに殴られ続けた情緒不安定な母の堪忍袋の緒が切れました。

母は突如布団から顔を出し、妹の頭をぺちん!と殴り返したのです。

私は、滅多なことでは手を挙げませんが、感情がどうにも抑え切れない時には手が出てしまうこともあるのです…。
どんな状況でも手が出ない人は本当にすごい…(夫は本当に手は挙げない)

頑なに出てこなかった夫が布団から飛び出し、ついにレフェリーストップ。
夫は基本的に一度布団に入ると出てこないけれども、こういう、非常事態になったときの対応は超早いです。
(ハハキレタ シキュウ コヲマモレ)

夫は娘たちを抱えて無理やり洗面所に駆け込み、歯磨きをさせ、トイレに連れていき、布団に連れ込んだのでした。

真っ暗になった寝室では未だパニックが続く姉と、殴り返されたショックで泣き叫ぶ妹の声。

母は、殴ってしまったことへの後悔から、子どもたちの手をそっと握りました。泣きつかれた事もあってか、そのまま子どもたちはすうっと眠り、私は子どもを叩いてしまった後悔でざわついてなかなか眠れませんでした。


***

私も、いつだって余裕があるわけじゃない。

毎晩毎晩優しく接してあげられるわけじゃない。

だからといって今日みたいになってしまっても困るし、子どもたちも辛いだろう。

どうしたら子どもたちが自主的に動いてくれるようになるんだろう?

口で言うと伝わりづらいことも、描くことで伝わることがある。

それを良く知っている私は、伝えたいことを「描く」ことにしました。

それがこちら。

こんなもん描いたって、結局楽しくなってれば「いやだ」ってなるだろうよ…

そう思いながらも、阿鼻叫喚の寝室プレイバックはしんどいなぁと思った私は淡々とコレを描き、子どもたちを呼びました。

そして絵本を読み聞かせるように、この絵を見せて文字を読みました。
子どもたちは「わかりましたー!」と張り切って手を上げました。

そして9時。

「寝る時間だよ」と声をかけたら、なんと子どもたちは「はぁい」と素直に遊ぶことをやめ、洗面所に歯ブラシを取りに行ったのでした。

まじか。

効きすぎやろ。

(歯磨きは遊び混じりでなかなか進まなかったのですが、遊びをやめて寝る準備に移れたことだけでも凄いことだ)


でも、何か、分かる部分はある気がするのです。

昔からあるでしょ。
「やろうと思ってたのに、言われたらやる気無くしたぁ」ってやつ。

「やりたくないことを一方的に言われる」のって、実はあまり効果がない。

「寝るから歯磨きしろ」「パジャマに着替えろ」「遊ぶのをやめろ」って、口頭で一方的にワーーーっと言われると、あまりいい気分じゃないよね。

でも、そうやって言うしかなかったから言ってた。
言葉でどうにかその気にさせようとしてた。

今回は、それを目で見えるかたちに描いたことで、本人たちが自主的に「そうしよう」って思えるようになった。
これは、ほんと、目で見てわかることの偉大さというか、物語形式の受け入れやすさというか…

何日ぐらい効果があるかはわかりませんが、少なくとも口うるさく言わなくて済むから私たちも楽だし、子どもたちもきっと楽。

試してみてくださいね。

いいなと思ったら応援しよう!

水谷アス
サポートいただけたらそれも創作に活かしていきますので、活動の応援としてぽちりとお気軽にサポート頂けたら嬉しいです。