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カラスはずる賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?

あの動物はコレが出来るから賢いとか、この動物はいつも同じことしかしていないから馬鹿だとか。

そうやって人間としての視点で動物を見てしまいがちですが、その価値観って、結局人間から見たものであって「生物として」「生きるために」やっている行動だと思ったら…どうでしょうか?



カッコウは体温が低くて抱卵が出来ないみたいな説もあるみたいですね。
自分で卵を温められないから、他の種に孵化させてもらっているのだと。

それにしても「他の鳥の巣に卵を産んで、相手の種の繁栄より自分の子を育ててもらうことを優先する」ってとんでもない本能だなと思ってました。

(3月のライオンで出てくる妻子捨男が自分をカッコウのようだと言うけれど、人間がカッコウのような事をするのは本当に酷い)

でもそれはあくまでも人間の価値観であって、動物は動物の生存本能みたいなものがあって、それぞれが相互に関係しあって生態系って出来てるんだよなぁと思ったり。

何でそんで人間の一方的な見方で「あいつは頭がいいよ」「あいつは馬鹿だよ」とか言われなきゃあかんねん、と。

なんか、人間があくまでも地球上で1番偉い生き物で、だから人間基準のものさしで他の生き物を考えていい、みたいなね。

でも私はどの生き物も地球上の生物っていう同じ生き物だよなぁと思っているので、気持ち悪いから嫌って理由だけで虫を潰すのは嫌だし、人を噛むこともあるからって理由だけで野犬を殺すこととかも何か嫌です。

人間に害を及ぼしたら害獣、人間から見て愛らしかったらそれだけで許されてまもられる。人間に不利益な虫を食べる蜘蛛を「益虫」って呼んだり、草とか「雑草」って言うけどその草にだって今そこに生きる理由はちゃんとあるんだろうが!って思う。

何でなんでも人間が出来ることと出来ないことがベースにあるんだろう…

はい、理屈っぽいの始まったのでここらへんでやめます。

とにかく、何でなんでも人間基準なんだ?という違和感が小さい頃からずっとありました。前世が人間じゃないのかもしれん。

そんな私が「わかるー」ってなった本です。

とにかく文章が面白い。
カラスをメインに調べてる動物学者さんだから、カラス贔屓が強いのだけど、カラスより実はかもめのほうが質悪いぞ!みたいなことを書いてるの読んで笑ってしまった。

実際、私も子どもとビスケット食べながら公園にいたら、カモメに襲われた。カラスも来たけど、カモメのほうがでっかいし、数倍怖かった。
何よりカモメは目が怖いんだ!!

でもカラスのほうが真っ黒だし、ギャアギャア声も怖いから、世間の印象は悪い。ちゃんと知っていったらカラスってとっても可愛いのに。

これって結局人間というひとつの種族だけで見てもあることで、結局、ある一つの視点から物事を見てしまうと印象って偏ってしまうよなぁと思う。
ヤンキーみたいな格好してるやつは頭が悪いとかさ、見た目が可愛いだけで得することがあるとかさ、なんかそういうの。

まぁ、そういう、大きなスケールで読むと人間も含めて生きとし生けるものに対する偏見をちょっと変えてくれる一冊でした。
興味が沸いたら読んでみてね。

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水谷アス
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