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ラストマイル、俺の物語だった

痛快爆弾テロ解決エンターテインメントかと思ってた
途中から社会風刺映画なのかなと思い始めた
さらに風刺じゃない、社会なんだと気づいた
最後にやっとわかった、これは、俺の物語だ

※ネタバレ含

社会派映画じゃない、もう社会そのもの
連続爆弾事件という少し現実からイメージしづらい事件で俺たちをただの観客に止まらせるのかと思いきや、
ストレスで心を壊してしまった人、歪んだ社会構造、人間心理をノンストップで描かれて、
急に銃を頭に突きつけられて「気付いてないの?お前の話をしてるんだよ」と這い寄られる、油断するなよ

ネットショッピング事業者
物流業者
配送センター
配達人
全員の立場と心理と苦悩が余すことなく描かれてる
この歪んだ社会構造をセンセーショナルにではなく、可能な限り丁寧に、じっとりと、じっくりと我々に提示してくる
誰の立場にも共感できない人、果たしているんだろうか
「お前が目を逸らしている現実がここにあるぞ」と言わんばかりだ


「こころの悩みを1人で抱えすぎないで」
エンドロールの最後にこれが出たことがすべてなのかもしれない、この作品でなにを伝えたかったのかヒシヒシと伝わってくる
アンナチュラルとMIU404の人気と集客力を最大限活用した社会へのメッセージ
これまでの作品は、このシンプルだけど、シンプルがゆえに大衆に響かせることが難しいメッセージをより多くの人間に届けるためのステップだったんじゃないかとすら思う、そんなことないんだけど

そして作品のメッセージはこんなに壊れないでほしい、抱え込まないでないほしいと伝えてきてるのに、主題歌は「がらくた」
もう勘弁してくれ
「壊れないで、でも壊れてもいいんだよ、2人で一緒にがらくたになっちゃおうか?てか私はもうがらくただよ笑」と俺の中のイマジナリー彼女が笑いかけてくる
異次元の包容力で優しく抱擁してくれて、ひたすら同じ目線で立って話をしてくれる
完敗です
どうしたらこの映画の主題歌に「がらくた」なんて命名できるんだよ
米津玄師が解釈の悪魔と言われる所以はここにある

人生讃歌で、人間讃歌だった
懸命に生きている人は、報われるべきなんだ
思えばアンナチュラルでもMIU404でも大筋は同じだったように思う
懸命に生きて報われるべき、でも全部がそう上手くはいかないから
だから結局、お前はどうする?ということになるわけ

そう、これは、俺の物語なのである


あと個人的にアンナチュラルは7話が大好きなんだが、白井くんがバイク便でしっかり働いていて本当に嬉しかった
ちゃんと許されるように生きてるんだよな、きっと

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