【短編怖い話】激熱カップル
【短編怖い話】激熱カップル
夏のある日、TくんとSちゃん、二人は愛の証としてまだ誰も足を踏み入れていない森の奥深くへ冒険することに決めた。
「ここ、本当に大丈夫かな?」とSちゃんが不安そうにTくんに言った。
「大丈夫、二人ならどんなことでも乗り越えられる」と、Tくんは彼女の手を握りながら答えた。
森を進んで行くうちに、二人は何やら古びた建物のようなものを見つけた。それはかつて誰かが住んでいたのか、荒れ果てた廃屋だった。
廃屋の中に入ると、その中は想像以上に美しい景色が広がっていた。壁には古びた絵が飾られ、天井にはかつての煌びやかさを今に伝えるシャンデリアが掛かっていた。しかし、その美しさとは裏腹に、何か重苦しい雰囲気が漂っていた。
「ここ、何だか不気味だね」とSちゃんが言ったその時、奥から聞こえてくる不気味な声が聞こえた。
その声に従って、二人は無意識のうちにお互いを殺すように操られてしまった。Tくんの目には恐怖と混乱が浮かんでいたが、その手は確実にSちゃんの首を絞め始めた。Sちゃんもまた、彼の胸へとナイフを突き刺すようになった。
結果、愛を確かめ合うはずのこの冒険は、二人の命を奪う悲劇となった。
後日、村の人々がその廃屋を訪れると、二人がお互いを抱き合うように倒れていた。彼らの運命は森の奥深く、その廃屋の中で永遠に封じられたのであった。