【短編怖い話】とある旅館

【短編怖い話】とある旅館
友人たちとの夏休み、私たちはとある廃墟の旅館で一夜を過ごすことにしました。

その旅館の話には、以前に行方不明になった人々の霊が彷徨っているという都市伝説がありました。

「ここ、本当に大丈夫かな？」と友人のBくんが言いました。

「大丈夫、大丈夫、都市伝説なんて信じるなよ」と別の友人のDちゃんは笑って言いました。

しかし、夜が更けるにつれて、異様な静寂と緊張感が広がっていきました。

いつの間にか、私の隣にいたEさんがいなくなっていました。

「Eさん、どこ行ったんだろう？」と私。

「きっと、トイレか何かだよ」とBくん。

しかし、しばらくしてもEさんは戻ってきませんでした。

そして、次にCちゃんが消え、その後Bくんも姿を消しました。

最後に私とDちゃんの2人だけが残されました。

「私たち、最後までここにいたら…」

Dちゃんの顔色が青ざめ、私もその意味を理解しました。

「早く出よう！」とDちゃん。

しかし、出口までの道がわからず、2人は迷ってしまいました。

そして、最後の瞬間、私はDちゃんの姿も失ってしまいました。

一人きりになったその瞬間、私の背筋に冷たいものが走りました。

私は自分の運命に気づいてしまいました。

もう戻ることはできない、この旅館から。

夜が明けた翌朝、外から来た人々が廃墟の中を調べましたが、私たちの姿はどこにも見当たりませんでした。