時短、コスパ、タイパ
現代人は無駄を嫌いすぎるきらいがある。
何でもお手軽に、
手に入れ、
短時間で楽しみ、
必要なものだけを選び取り、
無駄な時間はとことん省きたい。
買い物はamazon、その他ネットショッピング。
食事はUber。
趣味も無ければ、恋愛も興味なし。
会って話すよりSNSで。
仕事は仕方なくやるけど、職場の飲み会や、人間関係は極力避けたい。
できることなら挨拶すら省きたい。
だけれども必要なサポートはしてほしい。
けど少しでも余計と感じればハラスメント。
こんな人も少なくはない時代ですよね。
無駄を削って生まれた時間は何をしてるの?って思うけど、特に何もなく無気力なだけだったりもする。
そして人生の楽しみを見つけられずに、何のために生きているのかと悩む。
まぁ、みんながそうじゃないだろうけど。
望むものだけが欲しい。
余計なものはなるべく少なく、省きたい。
これはある意味で完璧主義者と言える。
ただし完璧の認識が不完全ではある。
自分が求めているものは何か。
それは無駄を省いた世界の先にあるのか否か。
無駄な事とは?
コスパは相対的な満足度ですから、本来安ければ良いというものではないのでしょうが、無料で楽しめるYouTubeなんてスマホすら無い時代から考えればコスパは最高ですよね。
昔と違って、今はテレビも見たい番組は、あれもこれも録画しておいて、いつでも見たい時に見れるようになりましたし、Netflixなどのサブスクも浸透してきて、見たくもない、つまらないTV番組やCMなんて本当に見なくなりました。
24時間見たい時に、自分が好きな番組を見られるなんて昔は難しかったでしょう。
(昔、深夜になるとテレビ放送が終わり、定点カメラで撮影している街の風景が流れていましたけど、私はあれが好き過ぎて録画していました。今はやってないですよね?)
その他SNS含めて、下手すれば一日中画面を見ていられる。
ゲームだって課金はあるにしろ、無料でも楽しめるものがいくらでもある。
そのせいかどうかは分かりませんが、私が10代の頃、たくさんあった地元のゲーセンやゲームショップは見事にすべてなくなりました。
BOOKOFFがあるだけ。
今考えれば、50円や100円でワンプレイなんてコスパ悪すぎですよね、、、、、、
薄暗くて、うるさくて、タバコプカプカで、でもそれが居心地良かった。
金が無くても、家に居場所が無くても、一人で寂しいやつもゲーセンに居ればいい時代だった。
自分が望むなら不良かオタクか、どちらかの友達がその内できることもある。(昔のゲーセンにはこの二種しかいない。)
すぐにとはいかない。
何度も顔を合わすうちに少しずつ、なんとなく。
スマホも無いし、SNSでも繋がってない、コスパもタイパも悪い友達作り。
もちろん一人で遊んでいたっていい。
家で一人なのとは違う。
何が違うのだろうか、何かが違う。
でも家で何でも出来る今は、ゲーセンまでわざわざ行って、金払って、なんて時間の無駄ですよね、、、
(今は公園で球技禁止でしょ?コスパ最強の駄菓子屋も絶滅寸前だし、今の子供達はどこに集まっているの?家?
家でポケモンしてるの?家は昔は逆に怒られたよ、外で遊べって。だからポケモンだって公園でしたんだよw)
昔は見たいドラマやアニメがあっても、ビデオに全部録画なんてとんでもないし、毎週追いかけないといけない。
深夜でもリアタイで頑張るしかない。
始まるまでの時間はどうでもいい番組見ながら起きてるしかないんですよ。
まぁ、それが無駄な時間かと言われればその中で自分の感性では選択しないであろう番組なんかに出会い、世界が広がることもあるのでしょうから、分かりませんよね。
今はそれを無駄だと決めつけて省けるってだけで。
ビデオ、DVDレンタルするのには一本何百円しますから、アニメやドラマ1クール分程度のレンタル料金でサブスク契約すれば、消費しきれないほどの作品を今は楽しむ事ができる。
音楽だって、CD一枚一枚買ったり、レンタルしてきて時間かけてやってましたよ。
今の人からしたらコスパ悪すぎですよ。
スマホで10秒もあれば聞きたい曲がいくらでも垂れ流しなんですから。
人生の時間はTV、PC、スマホを見ている時間にどんどん奪われますが、手軽に楽しむ事だけを考えればコスパ、タイパは最高の時代です。
デメリットをあげるなら、溢れすぎて持て余している。
あれもこれもやりたいから、一つのことに対する集中力が低下している。
何でも瞬間的に消費されていくから、コンテンツはともかく、受け取り手が薄っぺらい。
数十分の動画が多い、YouTubeですら余程面白くなければ見ていられない。
見たいものがたくさんあるけど、ありすぎて一つ一つに対する付き合いが軽くなってしまう。
昔は一途だったとまでは言えませんが、暇だからと言っても、いつも新鮮なものは提供されませんので、仕方なく同じビデオを何回も何回も鑑賞し、同じ漫画を何度も読み返しては新たな発見をしたりもしていました。
今はほとんどが一度見たら終わりで、繰り返し何度も見ることはありませんし、それどころかYouTubeなどは一度目でも途中飛ばしたり、倍速で見たりするなど、もはやタスクやノルマをこなすかのように消費しているだけに感じてしまう時すらあります。
少しでも長いともう見ることすら諦めてしまう。
今は動画作成の主戦場はインスタやTikTokのようなショート動画にどんどん移ってきているようですし、YouTubeの中にもYouTube動画の切り抜きがあるくらいですから、若い人はとにかく長時間の動画やコンテンツからは離れていってますよね。
ただそうは言っても、写真よりは動画の方がバラエティ豊かなのは確かなので、タイパの果てが静止画のみの時代は来ないでしょう。
時間がこれ以上短くなれば表現できる事も制限されすぎるだろうから、おそらく今が時短、タイパ文明のピークだと思いますよ。
この先は今のような1分前後の動画を次から次へとスクロールし、大量消費が主流の時代として続くのか、それともまた一つのものに親しみ、じっくりと取り組んだり出来るような緩やかな時代が訪れるのか。
そうは言っても、もう脳が後戻りできないでしょうね、これも依存ですから脳への刺激が減ると離脱症状が始まり、我慢できなくなります。
スマホなんてネットだけでなく、サブスク動画に音楽、SNS、ソシャゲから、アダルトコンテンツまでなんでもあり、刺激だらけで、依存性能てんこ盛りの夢の世界を手のひらサイズで爆誕させたんですから。
今はスマホ一つあればずっと部屋に籠っていても常に新しい刺激が手に入れられる。
そして、この先は手のひらどころかメタバースですよ。
もう誰も戻ってきませんよ。
そして誰もいなくなったですよ。
それに世界中の人間が依存だなんて考えもせずに、どっぷり浸かってるわけだから今更緩やかな刺激に戻るなんて簡単な話じゃないです。
一度爆発してリセットでもされない限り、当面は情報過多で、コスパ、タイパ至上主義の「生き急ぎ世代」がこれからの時代の主役になる事は決まりじゃないかと思います。
ただ人間の限界もそう遠くはないとも感じますが、、、