あそびの引き出し Vol.2
こんにちは親子体操インストラクターの杉本です。
子供って親が大好きなんですよ。
知ってますよね?
大きくなって「親嫌い」になってしまうのは
親の責任が大きいわけです。
もちろん、好きの形は変わっていきますし親離れしながら思春期を迎えます。それでも「我が子を思う気持ち」と「親が好き」は相思相愛でなければいけないんですよね。
これは理想論ですが、できるだけそれに近づくためには幼児期からしっかりと子供と向き合うことが大事なのではないでしょうかね。
1、ボクシング
【遊び方】
①片手を出して手のひらに向かってパンチ
②次に下方向へ手を出します。
③このようにいろいろな所に手を出してそれに合わせてパンチをします。
子供は利き手が出ることがほとんどなので、親が右手を出したら向き合っている子どもは左手、親が左手だったら子供は右手となるべく近い方の手を出すように促すようにしてください。
【応用編】
パーの時だけパンチ、グーやチョキは待て。といった感じにルールを設定してみると反射能力や判断力を刺激することになります。
親が手を広げれば広げるほど運動する範囲が広くなり、瞬発力や筋持久力も養われます。
【運動の解説】
反射神経
瞬発力
敏捷性
判断力
といった運動効果があります。
先ほど言ったように回数や動きの幅、ルールを設定することで運動の負荷が高くなりますので慣れてきたらどんどん変化をつけて行ってみてください。
尚、パンチではなくグーで叩く感じになっても大丈夫です。
運動の目的はパンチの形ではなく、運動神経の刺激です。遊ぶ方向性を間違えないように気をつけてください。
2、自転車こぎ
【遊び方】
①お互い仰向けに寝て両足を合わせます。
②足が離れないように自転車をこぐように動かします。一定回数連続でできるように頑張ってください。
また、足を伸ばすときが押す力を出す時になるので子供はただ動きに合わせるのではなく、しっかりと足で押すことを伝えてください。
【応用編】
慣れてきたらスピードを上げてやってみましょう。
同じ方向だけでこぐのではなく逆方向にもこいでみてください。
身体を起こして座った状態で行うと腹筋運動にもつながります。
【運動の解説】
筋力
身体の使い方
リズム感
協応力
を養う運動です。
自転車をこぐ動作はモノがないとなかなかしません。
相手の足の感触を感じながら身体を動かすことで、人に合わせる動きや相手の事を考えた動きを身につけることができます。
はじめは足が離れてしまうかもしれませんが段々と慣れてスムーズに動かせるようになっていきます。
3、スイングターン(なべなべ)
【遊び方】
①お互い向き合って両手をつなぎます。
②1,2の3!で一緒に腕の下をくぐります。
「なーべーなーべーそーこぬけー、そーこが抜けたら返りましょ!」
と歌いながら行ってもいいです。
③今度はお互い背中合わせの状態から先ほどと同様にまわっていきます。
④はじめは難しい動きかもしれませんがコツがわかると簡単にできるようになります。
【応用編】
これは童謡でおなじみのあそびなので多くの人が知っていると思います。
何人でも参加できるので家族全員でやってみても楽しくできますよ。
複数人で行う場合はくぐる腕を指定するとわかりやすくできます。
【運動の解説】
柔軟性
協応力
身体の使い方
を養う運動になります。
スポーツでよく言う器用な選手というのは幼児期の運動経験の差で変わってきます。
一つの同じスポーツを小さな頃から行っていても器用な選手にはなれないんですね。スペシャリストになることはその道ではすごいことかもしれませんが逆に潰しがききません。
3歳4歳から一つのスポーツだけをやらせて大成すればいいですがそれはほんの一握りだよということを知っておいてください。
4、両足ジャンプ
あそびの引き出しVol.1でも紹介した跳んでくぐっての時に両足ジャンプができなかったらこちらの運動で練習してみるといいと思います。
【遊び方】
①親は足を広げ長座をします。子供の両手を握り外→中→外の順でジャンプしていきます。
②回数を決めて続けて行ってみましょう。
この時子供が混乱するのが一跳躍なのか二跳躍なのかというところです。
ですので、跳び方がわからなくなってしまったら着地する場所を叩きながら
「ぴょんぴょん、ぴょんぴょん」(二跳躍)なのか、
「ぴょん、ぴょん、ぴょん」(一跳躍)なのかを示してあげてください。
③跳び方がわかったら次は親が足を閉じ、子供は足を広げて立ちます。
④「せーのっ!グーパーグーパー」と声をかけながらジャンプします。
子供がジャンプするタイミングに合わせて素早く足を開いたり閉じたりしてください。
足の開閉が遅いと子供の判断も遅くなり足の上に着地してしまいます。
これも一跳躍なのか二跳躍なのかはっきりさせて行ってください。
回数を決めて行ってください。止めるタイミングがわからなくなります。
【応用編】
年齢が上がれば手を離してもできるようになりますが
それりも声がけを早くしてジャンプのスピードを上げた方がいいですよ。
【運動の解説】
跳躍力
筋力
リズム感
を養う運動になります。
リズムよくジャンプをすることで反復練習につながります。
運動の習得は反復が基本です。
しかし子供に集中力を求めるとすぐに飽きてしまい効果が半減します。同時に運動に対する意欲も削がれてしまいます。
ですからこうした運動を行うことで楽しく反復運動ができるんですね。
ですが、小学生までは不要な筋力トレーニングは厳禁です。
幼児期はその運動で得られた筋力だけで十分ですのであまり過度な回数を求めないようにしてください。
5、メリーゴーランド
【遊び方】
まわりにぶつかるものがないことを確認して行なってください
①脇を抱え持ち上げます。
②勢いをつけてグルグル回します。
③遠心力を利用して上下に動かしながら回してあげてください。
自分の体力も考えて2,3周で一旦休憩してくださいね。
【応用編】
親の親指を握らせ、子供の手を被せるように手首を持ち、持ち上げて回してみます。
過度に早くまわしすぎると腕が抜ける危険もあるので程々のスピードで回してあげてください。
【運動の解説】
回転感覚
振りの感覚
高さ感覚
腕の力(応用編)
が身につきます。
回転感覚は三半規管の強化になります。車酔いやバランス感覚は三半規管の影響が大きいのでこういった運動で三半規管の強化をしてくださいね。
抱っこや肩車など、高いところに上らないと
高さへの恐怖心はなくなりません。
これは鉄棒運動でも同じで高くて怖いといって鉄棒が苦手になってしまう子供が多いんですね。少しでも高さに慣れておくと鉄棒運動もスムーズに入っていけると思います。
6、手押し車
【遊び方】
これはよく筋力トレーニングで使われる練習ですが、幼児期の手押し車は少し目的が変わってきます。
①子供の足首~膝を持ち、子供は腕の力だけで身体を支えます。
膝を持つ方が子供の負荷が軽くなり、足首を持つと負荷が強くなります。子供の体力に合わせて調節してください。
②親が押して進むのではなく、子供が行きたい方向に進ませてください。
③バックに進んでも横に歩いてもいいです。
あくまでも足を持つことは補助的な役目と捉えてください。
何度も言ってますが遊びの中での筋力アップということを忘れずに。
【応用編】
階段や重ねた座布団、布団の上などバランスがとりにくい場所で行なっても楽しいです。
階段は負荷が大きく、腕の力が負けて崩れてしまい階段に顔をぶつけることがないように膝を持ち子供の負荷をできるだけ少なくしてあげてください。
【運動の解説】
バランス感覚
腕の力
身体の使い方
が身につきます。
腕だけでなく身体を使って方向転換することを覚えておくといろいろなスポーツ、運動に応用できます。
また、手をつくことを覚えておくと転んだ時に手をつきますので顔から転ぶということもなくなります。
昨今の問題として
転んだ時に手をつけない子供が多くなってきているんですね。
これは手をつく経験がなかったり転んだらすぐに親が手を出して起こしてしまうといった甘さからきています。
手をついて顔を守ることを身につけておきましょう。
7、丸太転がし
【遊び方】
①親が横になり子供が親を押して転がします。
②子供の力では無理なのですが、親は頑張るふりをして子供を煽ってください。
③最後にひと踏ん張りさせてから最終的にはゴロンと転がってあげてくださいね。
④力は歴然ですが子供が丸太になって親が転がします。
力加減を調節して転がすふりをしてください。
この勝負は勝っても負けてもどちらでもかまいません。
【応用編】
親が四つん這いになり、子供が押して親を倒します。
四つん這いになることで力を加える場所が増えるので押したり引いたり揺すったりといろいろな考えをしながら転がす方法を考えるようになります。
この時も最終的には親が転がるようにしてあげてくださいね。
【運動の解説】
筋力
力を入れるタイミング
筋持久力
が養われます。
意識をして瞬間的に力を入れるというタイミングを知っておくことはいろんな運動で活用されますので声がけなどで
「あー、もう少しだ!せーの!」などと声をかけてあげて瞬間的な力を引き出してあげてくださいね。
8、ヒコーキ
【遊び方】
まわりにぶつかるものがないように気をつけて行なってください。
①親が仰向けになり子供が足の上に乗ります。
②身体や腕をまっすぐに伸ばし飛行機のマネをします。
少し足を動かして子供にバランスをとらせてください。
【応用編】
少し難易度が上がるので4歳くらいから無理のない範囲で行なってください。
①足の裏に子供が腹をつけます。手は親指を握らせ手首をもつように握ってください。
②ゆっくりと子供の身体を持ち上げます。
③安全を確保したうえで身体を伸ばしたり一瞬だけ手を離したりしてみます。揺するのは危険なのでやめてください。
【運動の解説】
バランス感覚
筋持久力
高さ感覚
が身につきます。
先ほどのメリーゴーランド同様に不安定な支えで身体のバランスを保ったり高さへの恐怖心を克服するのは幼児の間に身につけておかないとなかなか身につくものではありません。
僕が子供の頃は木登りや田んぼのあぜ道など
自然に触れあって身についたことが今の時代はできなくなっています。
ぜひこういった運動で子供の運動能力を刺激してあげてくださいね。