見出し画像

【先人の理論】ストレスと不安を解消する鍵は、自律神経の働きにあった!! ポリヴェーカル理論

ストレスと不安を解消する鍵は自律神経にある、という「ポリヴェーカル理論」について思うことを書いてみました。
みなさんのお役に立てると嬉しいです。


どんな理論?

ポリヴェーガル理論は、アメリカの神経科学者スティーブン・ポージェス博士が1995年に提唱した理論で、ストレスや不安を理解するうえで役立つ考え方です。
この理論では、自律神経が「安全」「戦う・逃げる」「フリーズ(動けなくなる)」の3つのモードを持つというものです。
この3つのモードを知ることで、自分の状態を見つめ直し、より健全な働き方がしやすくなり、人間関係を築きやすくなります。

1. 安全モード(腹側迷走神経)
安心感に包まれ、リラックスした状態です。
このモードでは、落ち着いて考えたり、コミュニケーションがスムーズに取れます。
ビジネスシーンでは、生産性が高まり、創造的なアイデアも生まれやすくなります。
このモードを保つことで、会議で活発に意見を交換したり、同僚やクライアントと信頼関係を築くことができます。

2. 戦う・逃げるモード(交感神経)
危険やストレスを感じると、交感神経が優位になり、このモードに切り替わります。
たとえば、締め切りに追われたり、上司から厳しいフィードバックを受けたときなどに感じる緊張感や焦りがこれに当たります。
この状態では心拍数や呼吸が早くなり、体がストレスに備えてエネルギーを消費します。
短期的には集中力を高める効果がありますが、長く続くと疲労やミスを招きやすくなるので注意が必要です。

3. フリーズモード(背側迷走神経)
大きなストレスや恐怖を感じると、このモードに入り、心と体が「シャットダウン」します。
無気力になったり、何も手につかなくなったりする状態です。
たとえば、プレゼン直前に緊張が高まりすぎて頭が真っ白になる、過労でやる気を失う、といった状況がこれに当たります。
フリーズモードでは、体を守るためにエネルギー消費が抑えられるため、生産性が大きく低下します。

この理論を活かすポイントとしては、まずは「自分が今どのモードにいるのか」を意識してみることです。
ストレスを感じたときに深呼吸をする、リラックスできる時間を作るなど、適切な対策を取ることで、「安全モード」に戻りやすくなります。
フリーズモードならば、簡単な体の動きや散歩などでエネルギーを少しずつ回復させることが有効です。
その他、「笑顔」や「歌を歌う」といった行為も効果的です。

ポリヴェーガル理論を実生活に取り入れることで、心身の健康を保ち、より良いパフォーマンスを発揮できるようにしたいですね。

私が思うこと

この「ポリヴェーカル理論」を目にしたのは、キャリアコンサルタントの千葉紘子さんの以下の書籍でした。

お互いにその場に「安心して話せる安全な場」という認識が
話す手が話しやすいような環境を作るために必要な理論として紹介されていました。

私たちはついつい「過去の出来事」に対して、自分たちの「脳の記憶(思い)」があり、それが今に反応を及ぼしていると考えがちです。

例えば、上司に叱られた経験から(注意されたというレベルであっても)、「私はダメなんだ・・」と脳に記憶して(思い込んで)しまって、自己肯定感が下がる、といったイメージです。

ですが、この理論から見ると、その時の自律神経の状態によって反応が異なる、つまりは脳(思い)ではなく、「身体的」な反応と考えられます。

安全モードなら、「これがNGならば、この考え方はどうか上司にもう一度相談してみよう」といった発想になりますし、
戦う・逃げるモードなら、「あの上司、最悪!」と受け取り、その場で反論するかもしれませんし、その上司との関わりを避けるなどの行為に及びます。
フリーズモードなら、やる気を失ってしまって、ひどい場合には上司以外との関わりさえ切断してしまうかもしれません。

既に何らかの「症状」に至っているのであれば、心療内科等で適切な治療を受けることが最もよいのですが、
そこまでは到達せずとも、現代社会のビジネスパーソンはストレスや不安の渦中にいて、不安やストレスを抱えているケースがほとんどだと思います。

そんな皆さんの日々のセルフケアとして、また、近しい人とのコミュニケーションにおいて、私が最もオススメしたいのは「笑顔」です。

「リラックスしたから笑顔になる」
「笑顔になったらリラックスできる」

ポリヴェーガル理論|自律神経系の症状と治療を説明する最新理論 | 東京カウンセリングオフィス より

鶏と卵のような、どっちが先か分からない話ですが、「笑顔」というのは、最も私たちが手軽に手にできる安全装置のようなものだと思います。

前述の事例で「上司に怒られた」というケースで、いきなり「笑顔」というのは、なかなかできないかもしれませんよね。
その場はともかく、一呼吸おいて、自分の空間を作って、自分の自律神経の状態を見て、どのモードであったとしても、いったん「笑顔」を作ってみると、どうでしょうか。
笑顔でリラックスして、自分を安全モードに戻してあげるという行為を続けることで、本当に「リラックスしたから笑顔になる」という状態になるのではないでしょうか。

また、前述の上司に叱られて、というケースでは、安全モード以外の自律神経のモード(戦う・逃げるモードorフリーズモード)のままで、次に接する人とコミュニケーションを取ると、負の連鎖が起こることは容易に想像がつきます。

周りの方との関係性を良くして、コミュニケーションを円滑にしていくために、「笑顔」という誰でも手にできる行為がパワフルなツールになるのではないかなと思います。

皆さんへの問いかけ

日頃、笑顔を意識していますか?
ご自身の今の自律神経の3つのモードを日頃から確認して、安全モードを獲得するために、まずは「笑顔」を作ってみませんか?


「最近の仕事で安全モードではないな」
と感じられた方、
「笑顔を出すためにはどうしたらいい?」
と思われた方、
私でよろしければ、壁打ちのお相手をさせていただきますよ。
以下のURLにて、ご相談を承ります。

お問い合わせ | インテグリティ合同会社 (t-integrity.com)

いいなと思ったら応援しよう!

杉本輝美(働く人の笑顔とありがとうを応援します)
よろしければ、応援お願いします! いただいたチップは「本の紹介」のコーナーの書籍購入費に使わせていただき、みなさまのお役に立ちたいと思っています!