見出し画像

2021年入院日記(急性期:10日目)

これは、脳梗塞を発症した自分の記録を思考が明確なうちに残しておこうというのが目的である。

6月14日(月)、雨だ。窓の外の緑は、一層深みを増している。朝一から採血、そしてコーヒー風味の経管栄養。

今いる病室は部屋に時計がないため(正確にいうとあるのだが、自分のベッドからは見えない位置にある)、ぱっと時間がわからない。スマホを見ればよいではないかという声が聞こえてきそうだが、常にベッドの上にあるわけではないので、いちいち取らなければならない。何時だろうと思い、つい左手首の腕時計の位置を見てしまうが、そこにあるのは患者名とIDの書かれたリストバンドだ。

腕時計は、入院した時にはしてきていた。SEIKOブライツのワールドタイムソーラーで、かつて米国や欧州に出張に行った時、向こうの電波を受けて正確な時刻を表示してくれた相棒だ。しかしここ数年は仕事の時は新たに導入したGPSソーラーであるSEIKOアストロンに取って代わられていた。ブライツは暗い病室で光も満足に与えられず、時刻合わせもできず、運針が停止気味となった。

そこで今後リハビリもしていくことだし、以前から欲しいと思っていたFitbitを導入することにした。Amazonで注文すると翌日には自宅に届いたので、洗濯物と一緒に家人に持って来てもらった。設定はスマホがあればでき、問題なく使用できる状態となった。機能はいろいろあってこれからじっくり試していくつもりだが、とりあえず就寝時にも装着して、睡眠スコアを見てみることにした。

画像1

深い睡眠が41分しかない…。頻繁に痰を吸引しているし、同室の患者さん達のいびきは凄いし…。毎日推移を見る楽しみができた。

今朝の嚥下のトレーニングでは少し進歩があった。右側臥位で頭を左向きの状態で、右の喉で砕いたゼリーを飲み込むことができた。先週は水しか飲み込めなかったので少し進歩した。また尿カテを食道のところまで飲み込み、バルーンを膨らませて食道を広げるという訓練も開始した。飲み込むことはできたが、バルーンを膨らませると流石に何とも言えない苦しさがあった。進歩があるというのは精神的に安定する…。

午後は経管栄養の後、16:00のシャワーの予定が前倒しで14:30に…、入院して3回目だ。昨夜の下剤はまだ効果がなく、平穏だ。

しばらくベッドの上で過ごしていると、下剤の効果がでてきて、トイレに向かう。無事薬の効果が出たのだけど、毎日経管栄養でほぼ液体しか入れていないのに、ちゃんと便が出てくるのが不思議だ。

トイレから出ると、言語聴覚士の先生が自分を探している。耳鼻咽喉科の先生と内視鏡が病棟に来ているのだった。そのままベッドの前まで来てくれて、内視鏡で嚥下時の喉の動きを観察することになった。鼻の右の穴は経管栄養にチューブが入りっ放しなので、左の穴から内視鏡を挿入する。そのままゼリーを口の中に入れられ、喉の左右それぞれで嚥下して動きを見るという検査であった。結論としては、トレーニング時と同様、右側の方が動きがあり嚥下しやすいということがわかった。あまりに喉を刺激し過ぎたせいか、検査後1時間は痰が止まらない事態となった。ツライ…。

3日後の木曜日に再度耳鼻咽喉科で、嚥下機能検査を行うことになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?